2018年の読書 統計 2018年に読んだ本は105作品、108冊でした。海外作品は昨年より増えて5作品でしたが、内3作品は再読です。 読む本の8割は図書館本になりました。 今でも買い物に行ったついでにリアル本屋に寄り、以前の習慣通り文庫新刊棚を見ます。気になった本は奥付を見て、単行本を文庫化したものなら図書館を検索して借り出します。ですから買うのはほぼ文庫書き下し作品だけという状況です。 ただ、病院の待合などで読む本も必要なので、文庫の短編集は何冊か確保するようにしています。 分類 作品数 % 新規 92 87.9% 再読 13 12.4% 再読は13作品。 今年は他の人のレビューを読んで印象が違うので作品を読み直したという例が多かったような気がします。 『医者ともあろうものが…』見川鯛山、『四畳半王国見聞録』森 登美彦、『日本三文オペラ』開高健、『一杯の珈琲から』エーリッヒ・ケストナー、『蒼き狼』井上靖、『他人の顔』安部公房、『高い砦』デズモンド・バグリー、『図書館の神様』瀬尾まいこ、『花まんま』朱川湊人、『あの家に暮らす四人の女』三浦しをん、『夜市』恒川光太郎、『1984年』ジョージ・オーウェル、『対岸の彼女』角田光代。 ジャンル別に見ると、歴史・時代ものが減りました。と言うより、昨年が特別に多かっただけでしょう(一昨年は17作品)。 ユーモアが増えてますが、これはどう分類するかだけの差のような気がします。 分野 作品数 昨年 一般 70 71 歴史・時代 14 26 ユーモア 6 - ファンタジー 4 5 その他 8 7 作品数 作家 5 西 加奈子 4 朝井 まかて森沢 明夫 3 伊吹 有喜小川 糸瀬尾 まいこ原田 マハ三崎 亜記村田 喜代子 作家別の作品数は右の表のようになります。 意外なことに私にとっては当たり外れが多い作家さんの一人、西加奈子さんが1位でした。 森沢明夫さん、原田マハさんについては、年の前半までですね。だんだん少し距離を置こうという気になっています。 昨年に続き、あまり特定の作家さんに集中することなく、色んなものに手を出してみた一年だったような気がします。調べてみたら初めて読んだ作家さんが昨年と同じく12人もいました。しかし今後も追いかけて行こうと思う人は少なかったですね。 2018年のBest10 印象に残った作品を選んでみました。読了順に並べています。また再読は省きます。 作品 著者 コメント これからお祈りにいきます 津村 記久子 関西のある町内だけで奉られているヘタレ神・サイガサマ。ちょっと不思議でおしゃれな物語 雲上雲下 朝井 まかて なんと朝井さんがファンタジー。しかし、これがひたすら面白い。民話の世界にどっぷりと嵌り込む物語。 きらきら眼鏡 森沢 明夫 森沢さんらしい優しくちょっと悲しいけれど前向きな話。主人公のあかねさんも良いけれど、弥生先輩に会ってみたいな。 海うそ 梨木 香歩 かつて修験道の霊山があった南九州の遅島を舞台にした喪失の物語。濃密な雰囲気の中に読む人を引き込み、考えさせる、読み応え十分の話。 雲南の妻 村田 喜代子 中国雲南省に赴いた商社マンの妻・敦子の奇妙な同性婚。「読む」を超えて「手応え」とか「実体」を感じさる見事な文章。 羊と鋼の森 宮下 奈都 新人ピアノ調律師の成長の物語。ちょっと小川洋子さんを思い起こさせる静謐な筆致。 あん ドリアン助川 ハンセン病者への偏見を扱った話。肩ひじを張らず、建前や一方的なお涙でもない、何か等身大の物語です。 つまをめとらば 青山 文平 武家の夫婦/男女関係を描いた短編集。切れのある文体と、ありきたりで無く、しかも納得できる主人公たちの心理描写。 レインコートを着た犬 吉田 篤弘 『つむじ風食堂の夜』『それからはスープ・・』に続く「月舟町三部作」の最終譚。柔らかく温かい吉田さんの世界に「浸って」しまう。 みかづき 森 絵都 昭和36年に習塾を立ち上げた夫婦の物語。エンタメとしてだけでなく、改めて教育とは何かを考えさせてくれる物語でした。 番外 見川鯛山、これにて断筆 見川 鯛山 タイトル通り私が大好きな見川センセの最後の一冊です。本当なら★★★かな。でもこれまでの感謝を込めてここに挙げます。 こうして並べてみると三崎亜記さんの言う「SF=少しフシギ」系の作品が目立ちます。 ヘタレ神の出て来る『これからお祈りにいきます』、民話の世界が躍動する『雲上雲下』、孤島の霊山の濃密な雰囲気を描いた『海うそ』、中国の少数民族の奇習を取り上げた『雲南の妻』、そして柔らかくどこか幻想的な『レインコートを着た犬』。それぞれに味わいは違いますが、どこか現実から浮き上がった不思議な物語でした。 たまたまと言えばそうですが、最近の私の好みを表して居るような気がします。 ここ数年の比較 作品数/冊数 2018年は初めてのフルタイム自由時間の年でしたが、やはり読書量は変わらないようで。。。 まあ、これが私が最も落ち着く読書スピードなのでしょうね。 作家別 下の表は2001年以降の読書記録を作家さん別にカウントしたものです。再読本は最新日付の1回だけでカウントしています。「変動」の▲は順位アップを▽はダウンを示します。 上位陣(top20)を個人別にみると 継続して追っかけ中; 三浦しをんさん、原宏一さん(埋め草的ですが) 読みたいものは読みつくして新作待ち; 浅田次郎さん、荻原浩さん、帚木蓬生さん、川上弘美さん、山本幸久さん、有川浩さん、中島京子さん、三崎亜記さん 何故かなかなか手が出ない作家さん; 角田光代さん、吉田修一さん スローダウン中; 重松清さん、小路幸也さん、原田マハさん 見放した作家さん; 熊谷達也さん、佐藤雅美さん、葉室麟さん、北方謙三さん、宮城谷昌光さん、乙川優三郎さん、山本一力さん、宇江佐真理さん なんと、理由は様々ですが「見放した作家さん」に歴史・時代小説の多い事。 スローダウン中の作家さんの内、重松さんは一時的な冷却期間の感覚ですが、小路さんと原田さんは更に下に落ちるかも。 本当に食いついてる作家さんは下位か欄外に居ますね。 著者名 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 計 順位 変動 昨年 重松 清 3 7 3 4 4 4 4 3 4 8 5 4 3 2 4 1 63 1 1 小路 幸也 3 4 10 6 8 5 6 3 1 46 2 2 浅田 次郎 2 9 9 6 1 2 4 2 4 1 1 1 1 1 1 45 3 3 荻原 浩 8 1 1 3 2 4 2 2 1 2 2 4 2 34 4 4 原田 マハ 10 4 3 4 4 3 28 5 ▲ 6 帚木 蓬生 6 4 3 3 1 1 1 1 2 2 1 2 1 28 5 5 川上 弘美 1 6 3 2 2 1 3 1 1 1 1 2 1 25 7 7 山本 幸久 2 3 4 3 4 2 2 3 1 24 8 8 中島 京子 1 1 5 2 3 3 2 1 4 1 23 9 9 三浦 しをん 2 2 1 4 1 4 2 1 4 2 23 9 ▲ 10 熊谷 達也 3 3 2 3 2 1 2 4 20 11 11 有川 浩 1 1 2 1 1 2 3 4 1 4 20 11 11 佐藤 雅美 1 3 5 7 2 1 1 20 11 11 葉室 麟 1 2 1 3 4 4 1 3 19 14 14 原 宏一 2 3 3 3 1 2 2 2 1 19 14 ▲ 18 北方 謙三 6 7 1 3 2 19 14 14 宮城谷 昌光 6 6 3 2 1 1 19 14 14 乙川 優三郎 1 2 2 2 1 1 3 1 1 2 1 1 1 19 14 14 吉田 修一 1 4 1 1 3 2 1 1 2 1 1 18 19 ▽ 18 山本 一力 1 1 5 1 3 4 1 2 18 19 ▽ 18 宇江佐 真理 2 3 3 1 2 1 2 2 1 1 18 19 ▽ 18 角田 光代 3 1 2 3 2 1 1 1 1 1 1 1 18 19 ▲ 22 三崎 亜記 1 1 1 1 1 1 5 2 2 3 18 19 ▲ 28 森沢 明夫 6 3 3 1 4 17 24 ▲ 39 山本 周五郎 2 6 4 5 17 24 ▽ 22 南木 佳士 3 3 1 2 1 1 1 1 2 1 1 17 24 ▲ 25 吉田 篤弘 1 1 1 2 1 3 2 1 3 2 17 24 ▲ 28 高田 郁 2 3 2 1 2 2 3 2 17 24 ▽ 22 朝井 まかて 3 2 2 5 4 16 29 ▲ 42 西 加奈子 1 3 3 3 1 5 16 29 ▲ 48 森 絵都 1 1 4 1 1 1 3 2 1 1 16 29 ▽ 28 伊坂 幸太郎 5 2 2 2 3 1 1 16 29 ▽ 25 沢木 耕太郎 2 2 1 1 1 1 2 4 1 1 16 29 ▽ 28 絲山 秋子 4 2 2 1 1 2 1 2 1 16 29 ▽ 28 藤沢 周平 6 2 3 1 3 1 16 29 ▽ 25 朱川 湊人 2 1 1 5 2 2 1 2 16 29 ▲ 34 小川 洋子 1 2 1 1 1 2 2 1 4 1 16 29 ▽ 28 瀬尾 まいこ 1 5 1 2 1 1 1 3 15 38 ▲ 42 桂 望実 1 1 2 1 1 2 3 1 2 1 15 38 ▽ 34 中村 航 3 2 1 1 1 2 2 1 1 14 40 ▽ 34 あさの あつこ 2 1 2 1 1 2 1 1 2 1 14 40 ▽ 34 司馬 遼太郎 3 3 1 1 1 1 1 1 1 1 14 40 ▽ 34 西條 奈加 2 1 1 3 3 3 1 14 40 ▽ 39 森見 登美彦 1 2 2 1 4 1 2 13 44 ▲ 48 豊島 ミホ 1 2 4 2 1 2 1 13 44 ▽ 39 池永 陽 4 2 1 1 1 2 1 12 46 ▽ 42 佐藤 正午 5 2 1 1 1 2 12 46 ▽ 42 C.S.フォレスター 1 11 12 46 ▽ 42 大崎 善生 6 3 1 1 1 12 46 ▽ 42 岩井 三四二 2 3 1 1 1 2 1 11 50 50 伊吹 有喜 2 2 4 3 11 50 ▲ 58 木内 昇 1 2 1 1 1 1 3 1 11 50 50 作品一覧 2018年に読んだ本を読了順に表示します→こちら