2019年の読書 統計 2019年に読んだ本は104作品、106冊でした。海外作品は昨年より増えて7作品です。 104作品中購入したのは13作品。内4作品は鼻茸手術の入院時に買った電子版です(手術後も鼻血か続くので紙の本NG)。10作品は蔵書の再読。残り81作品が図書館本でした。 作家さんの事を考えると本当はもう少し買わなきゃいけないと思うのですが。。。 分類 作品数 % 新規 93 89.4% 再読 11 10.5% 再読は11作品で、昨年より若干少なめですが、何と言っても藤沢周平の解禁がトピックスです。 余りに繰り返し読んだ挙句、ストーリーが完全に頭に定着してしまい、2009年を最後に再読を封印してきた藤沢さん。10年を経て封印を解き、全作品を出版順に読み返し始めました。ここまでで8作品。 ざっくりとした記憶は有っても、流石に10年もすれば新鮮な気持ちで読めています。今後ますます円熟に向かう藤沢さんが楽しみです。 本年 昨年 差 一般 62 73 ▲ 11 歴史・時代 27 14 13 ファンタジー 4 4 0 ホラー 4 3 1 サイエンスフィクション 3 3 ミステリー 3 3 0 ノンフィクション 1 1 その他 8 ▲ 8 合計 104 105 ▲ 1 ジャンル別に見ると、歴史・時代ものが一気に増えました。もちろん藤沢周平再読(8作品)も影響して居ますが、木内昇(4)、朝井まかて(4)、岩井三四二(2)、飯嶋和一(2)、西條奈加(2)、青山文平(1)と常連の名前が並びます。 何となく来年も続きそうな気がします。 作品数 作家 8 藤沢 周平(全て再読) 5 小野寺 史宜(New) 4 西條 奈加吉田 修一朝井 まかて重松 清木内 昇(再読1) 3 伊与原 新(New)村田 喜代子津村 記久子 作家別の作品数は右の表のようになります。 解禁したのは9月ですが、3-4冊に1冊ペースで読んでいるので、藤沢周平さんがTop。 昨年まで多かった森沢明夫さん、原田マハさん、小路幸也さんなど「良いお話」から意図的に距離を置いた結果、やや重めのラインナップになりましたか。もっとも代わりに小野寺史宜さん、伊与原新さんなどが入りましたけど。 初読みの作家さんは16人とずいぶん増えました。中にはタマタマ(娘が装画を担当したとか)という作家さんも居ますが、上に挙げた小野寺史宜さん、伊与原新さん以外にも鈴木るりか(中学生作家)、平野啓一郎、深緑野分、垣谷美雨、多和田葉子、海外ではフレドリック・バックマンなど今後も読んで行こうと思う作家さんにも出会えました。 2019年のBest10 印象に残った作品を選んでみました。読了順に並べています。また再読は省きます。 作品 著者 コメント 愛なき世界 三浦 しをん 三度の飯よりシロイヌナズナの研究が好きな本村紗英に恋した洋食屋の見習い・藤丸陽太。 研究者/研究室あるあるが楽しい 蜜蜂と遠雷 恩田 陸 100人以上が競う国際ピアノコンクールに参加した4人のピアニストの活躍を描く長編。 成功とは言えないが、音楽/演奏を言葉で表すという困難に饒舌に言葉を尽くした作品。 跳ぶ男 青山 文平 大名家の「能」を舞台とした時代小説。 全ての登場人物が張り詰め、夫々が目指す事に真摯であり一点の緩みも無く突き進む。 飛族 村田 喜代子 今はたった二人の老女が住む遣唐使が東シナ海に乗り出す前の最後の寄港地だった郡島。 現実と幻想、死者と生者、海と空、人と鳥。老女二人はそうした境を軽々と行き来する。 眩 朝井 まかて 葛飾北斎の娘・お栄(葛飾応為)の一生を描いた作品。 何と言っても北斎やお栄が絵を描くシーンが記憶に残ります。 龍の耳を君に 丸山 正樹 「ろう者」の世界を描いて強烈な印象を残した『デフ・ヴォイス』の続編。 「面白かった!」では無く「読んで良かった!」、そんな印象が残る作品です。 ブルーネス 伊与原 新 目指すは地震予知では無く、リアルタイムに測定による正確な津波警報システム。 その構築に取り組む、はみ出し者の寄せ集めチームの話です。 化物蠟燭 木内 昇 『よこまち余話』と同じ系列の「この世に思いを残した者達」が登場する短編集です。 この世とあの世の境目が揺らぎ、切なさ、暖かさが漂い出る。 続 横道世之介 吉田 修一 世之介は相変わらずです。どこか頼りなくフワフワして、状況をそのまま受入れる。 でもともかくも善良で周りに安心感を与える、決して裏切らない。 ベルリンは晴れているか 深緑 野分 戦時下(少女の回想)~戦後(現在)のベルリンを舞台に「戦争の狂気」を描いた作品。 ちょっとベニオフの名作『卵をめぐる祖父の戦争』を思わせる。 次点 夢見る帝国図書館 中島 京子 ライフ 小野寺 史宜 落花狼藉 朝井 まかて 『眩』の方を採りました 今年はなんだか「道を究める」系の作品が多いような(笑)。 植物研究者の『愛なき世界』、ピアノ奏者の『蜜蜂と遠雷』、能の『跳ぶ男』、日本画の『眩』、そして津波予報の『ブルーネス』もその方向です。昨年多かった「ちょっと不思議」系は『飛族』『化物蠟燭』の2作品。 私、なんだか真面目になった?(笑) ここ数年の比較 作品数/冊数 11月初めころ「今年は100冊行かないかも」と思っていたのですが、最後の頑張りで何とか3桁は確保しました。 それにしても、ここ数年は何と変化の乏しい事(笑) 作家別 下の表は2001年以降の読書記録を作家さん別にカウントしたものです。再読本は最新日付の1回だけでカウントしています。「変動」の▲は順位アップを▽はダウンを示します。 ▲の付いている作家さんは積極的に追いかけて行ってる人なので、そんなものだろうなと思います。 問題は▽の作家さん。 三浦しをんさんは藤沢さん解禁のあおりを受けただけですし、 有川ひろ(浩を改名)さんは、3年にわたり新作が出てこないので仕方ないですね 積極的に手を出さなくなったのは、異常に多作の時代小説作家の佐藤雅美さんや葉室麟さん、 長すぎるか重すぎると感じるようになった北方謙三さん、宮城谷昌光さんなど 熊谷達也さんや角田光代はもう少し手を出しても良いかな 著者名 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 合計 順位 変動 昨年 重松 清 3 7 3 4 4 4 4 3 4 8 5 4 3 2 4 1 4 67 1 1 小路 幸也 3 4 10 6 8 5 5 3 1 45 2 2 浅田 次郎 2 9 9 6 1 2 4 2 4 1 1 1 1 1 1 45 2 ▲ 3 荻原 浩 8 1 1 3 2 4 2 2 1 2 2 4 2 1 35 4 4 原田 マハ 10 4 3 4 4 3 28 5 5 帚木 蓬生 6 4 3 3 1 1 1 1 2 2 1 2 1 28 5 5 川上 弘美 1 6 3 2 2 1 3 1 1 1 1 2 1 1 26 7 7 山本 幸久 2 3 4 3 4 2 2 3 1 1 25 8 8 中島 京子 1 1 5 2 3 3 2 1 4 1 1 24 9 9 藤沢 周平 6 2 3 1 3 1 8 24 9 ▲ 29 三浦 しをん 2 2 1 4 1 3 2 1 3 2 2 23 11 ▽ 9 吉田 修一 1 4 1 1 3 2 1 1 2 1 1 4 22 12 ▲ 19 朝井 まかて 3 2 2 5 4 4 20 13 ▲ 29 佐藤 雅美 1 3 5 7 2 1 1 20 13 ▽ 11 有川 浩 1 1 2 1 1 2 3 4 1 4 20 13 ▽ 11 熊谷 達也 3 3 2 3 2 1 2 4 20 13 ▽ 11 原 宏一 2 3 3 3 1 2 2 2 1 1 20 13 ▲ 14 葉室 麟 1 2 1 3 4 4 1 3 19 18 ▽ 14 乙川 優三郎 1 2 2 2 1 1 3 1 1 2 1 1 1 19 18 ▽ 14 北方 謙三 6 7 1 3 2 19 18 ▽ 14 宮城谷 昌光 6 6 3 2 1 1 19 18 ▽ 14 吉田 篤弘 1 1 1 2 1 3 2 1 3 2 2 19 18 ▲ 24 三崎 亜記 1 1 1 1 1 1 5 2 2 3 1 19 18 ▲ 19 森沢 明夫 6 3 3 1 4 1 18 24 24 角田 光代 3 1 2 3 2 1 1 1 1 1 1 1 18 24 ▽ 19 西條 奈加 2 1 1 3 3 3 1 4 18 24 ▲ 40 宇江佐 真理 2 3 3 1 2 1 2 2 1 1 18 24 ▽ 19 高田 郁 2 3 2 1 2 2 3 2 1 18 24 24 森 絵都 1 1 4 1 1 1 3 2 1 1 2 18 24 ▲ 29 山本 一力 1 1 5 1 3 4 1 2 18 24 ▽ 19 南木 佳士 3 3 1 2 1 1 1 1 2 1 1 17 31 ▽ 24 山本 周五郎 2 6 4 5 17 31 ▽ 24 絲山 秋子 4 2 2 1 1 2 1 2 1 1 17 31 ▽ 29 小川 洋子 1 2 1 1 1 2 2 1 3 1 2 17 31 ▽ 29 沢木 耕太郎 2 2 1 1 1 1 2 4 1 1 16 35 ▽ 29 伊坂 幸太郎 5 2 2 2 3 1 1 16 35 ▽ 29 西 加奈子 1 3 3 3 1 5 16 35 ▽ 29 桂 望実 1 1 2 1 1 2 3 1 2 1 1 16 35 ▲ 38 朱川 湊人 2 1 1 5 2 2 1 2 16 35 ▽ 29 中村 航 3 2 1 1 1 2 2 1 1 2 16 35 ▲ 40 瀬尾 まいこ 1 5 1 2 1 1 1 3 15 41 ▽ 38 森見 登美彦 1 2 2 1 4 1 2 1 14 42 ▲ 44 司馬 遼太郎 3 3 1 1 1 1 1 1 1 1 14 42 ▽ 40 木内 昇 1 1 1 1 1 1 3 1 4 14 42 ▲ 50 あさの あつこ 2 1 2 1 1 2 1 1 2 1 14 42 ▽ 40 豊島 ミホ 1 2 4 2 1 2 1 13 46 ▽ 44 岩井 三四二 2 3 1 1 1 2 1 2 13 46 ▲ 50 村田 喜代子 4 2 3 3 12 48 ▲ 55 佐藤 正午 5 2 1 1 1 2 12 48 ▽ 46 大崎 善生 6 3 1 1 1 12 48 ▽ 46 池永 陽 4 2 1 1 1 2 1 12 48 ▽ 46 C・S・フォレスター 1 11 12 48 ▽ 46 伊吹 有喜 2 2 4 3 1 12 48 ▲ 50 作品一覧 2019年に読んだ本を読了順に表示します→こちら