2021年の読書 統計 国内/海外 2021年一年間で読んだ本は101作品103冊でした。 一時は二桁止まりを覚悟しましたが、終盤に巻き返し、何とか三桁に到達。 例によって海外作品は少なく、国内98、海外3作品です。 初読/再読 分類 作品数 % 新規 76 75.2% 再読 25 24.8% 昨年に続き、約1/4が再読です。 うち9作品は一昨年から始めた藤沢周平作品の再読ですが、これについては途中からペースダウン。 あとは栗田有起、三浦しをん、瀬尾まいこ、中島京子さんなど好きな作家を満遍なく。 そういえば海外読了本3作品の内2作品はジェイムズ・ヘリオットさんの再読です。 ジャンル別 カテゴリ 海外 国内 合計 一般 1 64 65 歴史・時代 24 24 ファンタジー 4 4 サイエンスフィクション 2 2 ミステリー 2 2 ユーモア 2 2 ホラー 1 1 その他 1 1 集計 3 98 101 2/3が「一般」つまり普通の現代小説です。 また1/4が歴史・時代もの。これは元々好みのジャンルなのに加え、藤沢作品の再読が影響しています。 あとはファンタジーだとかSF、ミステリーなどが少々。 何度か書いていますが、ミステリーやホラーの類には手を出さない事にしています。 次に何を読むか考える為に、ブログ、ブクログや読書系のFacebookなどを見るのですが、そこには本が溢れています。ですから、最初からミステリー/ホラーという大ジャンルには手を出さないと決めて置けば、選択肢が絞られて楽なのです。それでも読みたい本は十分以上にあるのです。 作家別 合計 作家 初読 再読 9 藤沢 周平 0 9 4 桜木 紫乃 4 0 小野寺 史宜 瀬尾 まいこ 2 2 中島 京子 3 岩井 三四二 3 0 山本 幸久 寺地 はるな 村田 喜代子 津村 記久子 栗田 有起 1 2 三浦 しをん 後半ペースダウンしたものの、藤沢周平の発表順別再読は続いていて、やはりTop。 例年は新しく見つけた作家さんを次々読む事が多いのですが、今年は有力候補に当たらなかった様で、何れも一作品どまりでした。結果として桜木紫乃、中島京子、村田喜代子、津村記久子などお馴染のメンバーが並びました。 ちなみに初読みの作家さんはソン・ウォンピョン、芦辺拓、玉岡かおる、鯨井あめ、周防柳、上田誠、川越宗一、中原清一郎、蜂須賀敬明さんの9人でした。 2021年のBest10 印象に残った作品を選んでみました。作品名順に並べています。また再読は省きます。 作品 著者 コメント アーモンド ソン・ウォンピョン 初の韓国小説。言語・文化が似ているせいか、翻訳であることを意識する事はほとんど無く。失感情症の高校生、ユンジェを主人公にしたちょっと不思議な雰囲気の物語。 渦 大島真寿美 もう一人の近松、文楽の作家・近松半二の一代記。全編大阪弁で書かれ、「物語はどこから生まれてくるのか」を突き詰めて行った作品です。 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー 桜木紫乃 釧路のキャバレーで下働きする20歳の「俺」、そこに現れたどん底タレント三人。年季が入った放埓な芸と、軽妙でどこか含蓄が有りそうな掛け合いが何とも素晴らしく 婚礼、葬礼、その他 津村記久子 友人の結婚式に出席中に上司の親の葬儀に呼び出されたOLヨシノのてんやわんやな一日。ドタバタ"ではなく"てんやわんや"、ちょっとおっとりと上質感がある笑いが良い。 城は踊る 岩井三四二 井楼を建て衝車で門を破り、数と力で攻める攻城軍と、地の利を生かし、夜戦を仕掛け、手火矢や種子島で守る守備隊。岩井さんらしからぬ(笑)アクティブでスリリングな話でした。 熱源 川越宗一 樺太/北海道を舞台に、明治から昭和初期の様々な人種/国籍の人々の物語です。少数民族と弱小国家。同化と差別、暴力/非暴力。重い話題をどこか静かに綴った大作。 水辺のブッダ ドリアン助川 殺人の刑期を終えた男や、仙人めいた老人のホームレス、彼等を襲撃する若い男、性依存症の女性、DV男と同棲した娘。この手の話にありがちな押しつけがましさが少い良い話でした むらさきのスカートの女 今村夏子 増上慢になった世間知らずの女と、その女をストーキングする女の物語。何やらちょっと薄気味悪い不穏感と同時に不思議な可笑しさが有ります。 やさしい猫 中島京子 今、話題の入管問題を背景にした小説ですが、同時に暖かな家族小説であり、少女の成長小説であり、恋愛小説でもあり、そして法廷ドラマでもあります。 夜明けのすべて 瀬尾まいこ PMS(月経前症候群)の美紗と、パニック障害の山添君の物語。どこか柔らかく肩の力を抜いて前を向いて行く、そういう気持ちになれる良い作品でした。 上に挙げた『熱源』の他に『剛心』木内昇や『地中の星』門井慶喜も候補に挙がりました。いずれも明治・大正・昭和初期を舞台にした歴史小説で、最近手にする事が多くなってきました。以前は歴史小説と言えば幕末頃までだったような気がしますが「明治は遠くなりにけり」なんでしょうね。 ここ数年の比較 作品数/冊数 グッとにらむと10年前の2011年をピークに漸減し、そろそろ底を打ったように見えます。 2021年はコロナ禍で家にいる事も多く、少しは増えるかと思いきや、やはり少なめ。「優しいばかりの物語にはもう飽きた」とサクサク進む重松清、小路幸也、原田マハ、森沢明夫さんあたりから離れているせいかもしれませんね。 作家別 下の表は2001年以降の読書記録を作家さん別にカウントしたものです。再読本は最新日付の1回だけでカウントしています。「変動」の▲は順位アップを▽はダウンを示します。 著者名 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 総計 順位 変動 昨年 順差 重松 清 3 7 3 4 4 4 4 3 4 8 5 4 3 2 4 1 4 1 68 1 1 0 浅田 次郎 2 9 9 5 1 2 4 2 4 1 1 1 1 1 1 2 2 48 2 2 0 小路 幸也 3 4 10 6 8 5 5 3 1 45 3 3 0 藤沢 周平 3 2 1 2 8 18 9 43 4 △ 5 1 荻原 浩 8 1 1 3 2 4 2 2 2 2 4 2 1 4 38 5 ▼ 4 -1 山本 幸久 2 3 4 3 4 2 2 3 1 1 2 3 30 6 △ 8 2 原田 マハ 10 4 3 4 4 3 28 7 ▼ 6 -1 帚木 蓬生 6 4 3 3 1 1 1 1 2 2 1 2 1 28 7 ▼ 6 -1 川上 弘美 1 6 3 2 2 1 3 1 1 1 1 2 1 1 1 27 9 ▼ 8 -1 中島 京子 1 1 3 2 3 3 2 1 4 1 1 1 4 27 9 △ 10 1 吉田 修一 1 4 1 1 3 2 1 1 2 1 1 4 1 2 25 11 11 0 三浦 しをん 2 1 4 1 3 2 1 3 2 2 3 24 12 ▼ 11 -1 朝井 まかて 3 2 2 5 4 4 2 1 23 13 13 0 吉田 篤弘 1 1 1 2 1 3 2 1 3 2 2 2 1 22 14 14 0 西條 奈加 2 1 3 3 3 1 4 3 2 22 14 △ 17 3 有川 ひろ 1 1 2 1 1 2 3 4 1 4 1 1 22 14 14 0 熊谷 達也 3 3 2 3 2 1 2 4 1 21 17 ▼ 14 -3 原 宏一 2 3 3 3 1 2 2 2 1 1 20 18 ▼ 17 -1 佐藤 雅美 1 3 5 7 2 1 1 20 18 ▼ 17 -1 三崎 亜記 1 1 1 1 1 1 5 2 2 3 1 1 20 18 △ 20 2 乙川 優三郎 1 2 2 2 1 1 3 1 1 2 1 1 1 19 21 ▼ 20 -1 宮城谷 昌光 6 6 3 2 1 1 19 21 ▼ 20 -1 桂 望実 1 1 2 1 1 2 3 1 2 1 1 3 19 21 ▼ 20 -1 森 絵都 1 1 4 1 1 1 3 2 1 1 2 1 19 21 ▼ 20 -1 森沢 明夫 5 3 3 1 4 1 2 19 21 △ 27 6 北方 謙三 6 7 1 3 2 19 21 ▼ 20 -1 葉室 麟 1 2 1 3 4 4 1 3 19 21 ▼ 20 -1 宇江佐 真理 2 3 3 1 2 1 2 2 1 1 18 28 ▼ 27 -1 角田 光代 3 1 2 3 2 1 1 1 1 1 1 1 18 28 ▼ 27 -1 高田 郁 2 3 2 1 2 2 3 2 1 18 28 ▼ 27 -1 山本 一力 1 1 5 1 3 4 1 2 18 28 ▼ 27 -1 瀬尾 まいこ 1 5 1 2 1 1 2 1 4 18 28 △ 34 6 絲山 秋子 4 2 2 1 1 2 1 2 1 1 1 18 28 ▼ 27 -1 伊坂 幸太郎 5 2 2 2 3 1 1 1 17 34 34 0 岩井 三四二 2 3 1 1 1 2 1 2 1 3 17 34 △ 43 9 山本 周五郎 2 6 4 5 17 34 34 0 小川 洋子 1 2 1 1 1 2 2 1 3 1 2 17 34 ▼ 27 -7 沢木 耕太郎 2 2 1 1 1 1 2 4 1 1 1 17 34 34 0 中村 航 3 2 1 1 1 2 2 1 1 2 1 17 34 △ 39 5 南木 佳士 3 2 1 2 1 1 1 1 2 1 1 1 17 34 34 0 朱川 湊人 2 1 1 5 2 2 1 2 16 41 ▼ 39 -2 西 加奈子 1 3 3 3 1 5 16 41 ▼ 39 -2 村田 喜代子 4 2 3 3 1 3 16 41 △ 48 7 木内 昇 1 1 1 1 1 1 3 1 4 1 1 16 41 △ 42 1 あさの あつこ 2 1 2 1 1 2 1 1 2 1 14 45 ▼ 43 -2 伊吹 有喜 2 2 4 3 1 2 14 45 ▼ 43 -2 司馬 遼太郎 3 3 1 1 1 1 1 1 1 1 14 45 ▼ 43 -2 森見 登美彦 1 2 2 1 3 1 2 1 1 14 45 ▼ 43 -2 津村 記久子 1 1 2 3 3 3 13 49 △ 55 6 豊島 ミホ 1 2 4 2 1 2 1 13 49 ▼ 48 -1 作品一覧 2021年に読んだ本を読了順に表示します→こちら