2001年から書き始めたトドの書評データベースです。
2019年7月に2000冊を越え、今も年100冊程度追加しています。
(書評が無いのは2000年以前の読了本です)


2022年の読書

統計

国内/海外

2022年一年間で読んだ本は107作品108冊でした。
国内(日本語)作品が101作品、海外(翻訳もの)が6作品でした。

初読/再読

分類 作品数
新規 86 80%
再読 21 20%

再読について。
ほぼ1/5が再読ですが、一昨年から続けてきた藤沢周平作品の全制覇を中断し、特定作家を意識せずに本棚から選びました。その結果、中島京子さんの3冊、川上弘美さんの2冊を除けば15人を1冊づつとバラけました。
まあ、何もテーマを持たない再読はこんなものでしょうね。

ジャンル別

ジャンル 海外 国内 総計
一般 4 74 78
歴史・時代 13 13
ファンタジー 1 7 8
ユーモア 1 2 3
サイエンスフィクション 2 2
ホラー 2 2
ミステリー 1 1
総計 6 101 107

相変わらずカテゴライズ不可の「一般」つまり普通の現代小説が大多数です。
ここ数年の傾向を見てみると(右図)、「歴史・時代」が減って「一般」が増えています。それ以外は凸凹があってもさほど大きな影響もなく。
「歴史・時代」が減ったのは藤沢さんの再読を止めたせいでもあるのですが。。。


作家別

合計 作家 初読 再読
4 町田 そのこ 4 0
中島 京子 1 3
3 一穂 ミチ 3 0
桜木 紫乃

2022年は、右表のようにあまり「特定作家のまとめ読み」をしませんでした。
その他には2作品を読んだのが19人、1作品だけが55人です。
さらに今年初読みの作家さんは20名にもおよびました。(一條次郎、一穂ミチ、魚住直子、木下昌輝、窪美澄、砂原浩太朗、高瀬隼子、千早茜、永井みみ、野崎まど、馳星周、古内一絵、松田青子、三浦明博、吉川トリコ、柳美里、綿矢りさ、デイヴィッド・アーモンド、ケヴィン・ウィルソン、マルク・レヴィ)
一言で言えば「間口を広くした年」と言えそうです。

再読 初読 総計
女性作家 43% 65% 61%
男性作家 57% 35% 39%

もう一つ、女性作家/男性作家で比率を出してみました。
再読は男性作家が多く、初読は女性作家が2/3を占めています。
まあ、こんなものでしょうね。


2022年のBest10

印象に残った作品を選んでみました(順不同)。再読作品は省いています。

作品 著者 コメント
肩甲骨は翼のなごり デイヴィッド・アーモンド 心臓疾患の幼い妹のことを思い続ける兄と、学校に行かず個性的に育つ友達のミナ、そして崩壊寸前の倉庫に居た薄汚く口の臭い天使と。命の不思議を描く素晴らしいファンタジー
ミシンと金魚 永井 みみ 認知症の老女の語りで描かれる壮絶な過去。読み始めた途端「腰を据えて読まなきゃ」と感じさせる物語。
まっとうな人生 絲山 秋子 『逃亡くそたわけ』の後日譚。今は穏やかな日々の事件を随筆風につづった小説。何度も眺めたいと思うハッとさせられるような考えを綴った見事な文章が随所に在ります。
大島 真寿美 江戸中期の大坂の人形浄瑠璃を描いた直木賞受賞作『渦』のスピンアウトもの。短編の為か"軽み"が増し、晴れ晴れとした自己肯定感も有って『渦』より好みです。
魚神 千早 茜 全島が遊郭の島で育てられた美しい姉と弟。幻想的で耽美な世界が広がります。濃密で湿度が高く薄暗い。そしてどこか儚く気怠い。独特の著者の世界にどっぷり漬かって楽しむ本。
あの子とQ 万城目 学 ずっこけキャラの親友・ヨッちゃんを初め、登場人物の造形が楽しく、笑えて、ちょっとしんみりさせて、ゲームばりのバトルも有って。主人公の真っ直ぐな想いで、心地良い読後感です
レプリカたちの夜 一條 次郎 聞きしに勝る支離滅裂な物語。しかし、何かおかしなユーモアが有って、ハチャメチャストーリーに文句を言いながらも最後まで面白く読んでしまった。妙な小説です。
星の子 今村 夏子 両親に深い愛情を持ちながら、15歳になって彼等の信仰に対して疑念や違和感を深める娘と、それを察知し穏やかに娘を引き寄せようとする両親の姿。教条的でないところが良い。
JR上野駅公園口 柳 美里 貧苦に生まれ、家族の為に真面目に働きながらも次々に様々な不運に見舞われ、やがてホームレスになる事を選んだ主人公。そして主人公はやがて・・・。
六つの村を越えて髭をなびかせる者 西條 奈加 朴訥で誠実な探検家・最上徳内とアイヌの人々との友情を描いた非常に気持ち良い歴史長編小説です。善悪が明快でやや深みに欠けるきらいはありますが、すっきり読みやすい物語です。


ここ数年の比較

作品数/冊数

変化が無いと言うか。。。。
ここ10年間でみれば、平均109.7冊。
ある意味素晴らしい安定感です。


作家別

下の表は2001年以降の読書記録を作家さん別にカウントしたものです。再読本は最新日付の1回だけでカウントしています。
 ※「変動」の▲は順位アップを▽はダウンを示します。「昨年」は昨年順位です。

作家名 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 総計 順位 変動 昨年
重松 清 3 7 3 4 4 4 4 3 4 8 5 4 3 2 4 1 4 1 68 1 1
浅田 次郎 2 9 9 5 1 2 4 2 3 1 1 1 1 1 1 2 2 2 49 2 2
小路 幸也 3 4 10 6 8 5 5 3 1 45 3 3
藤沢 周平 3 2 1 2 8 18 9 43 4 4
荻原 浩 8 1 1 3 2 4 2 2 1 2 4 2 1 4 1 38 5 5
山本 幸久 2 3 4 3 4 2 2 3 1 1 2 3 1 31 6 6
帚木 蓬生 6 4 3 3 1 1 1 1 2 2 1 2 1 1 29 7 7
中島 京子 1 1 3 2 2 2 2 1 4 1 1 1 3 4 28 8 9
原田 マハ 10 4 3 4 4 3 28 8 7
川上 弘美 1 4 3 2 2 1 3 1 1 1 1 2 1 1 1 2 27 10 9
吉田 修一 1 4 1 1 3 2 1 1 2 1 1 4 1 2 1 26 11 11
三浦 しをん 2 1 4 1 3 2 1 3 2 2 3 24 12 12
朝井 まかて 3 2 2 5 4 4 2 1 1 24 12 13
西條 奈加 2 1 3 3 3 1 4 3 2 2 24 12 14
熊谷 達也 3 3 2 3 1 1 2 4 1 2 22 15 17
吉田 篤弘 1 1 1 2 1 3 2 1 3 2 2 2 1 22 15 14
有川 ひろ 1 1 2 1 1 2 3 4 1 4 1 1 22 15 14
桂 望実 1 1 2 1 1 2 3 1 2 1 1 3 2 21 18 21
三崎 亜記 1 1 1 1 1 1 5 2 2 3 1 1 1 21 18 18
瀬尾 まいこ 1 5 1 2 1 1 2 1 4 2 20 20 28
原 宏一 2 3 3 3 1 2 2 2 1 1 20 20 18
佐藤 雅美 1 3 5 7 2 1 1 20 20 18
乙川 優三郎 1 2 2 2 1 1 3 1 1 2 1 1 1 19 23 21
北方 謙三 6 7 1 3 1 1 19 23 21
角田 光代 3 1 2 3 2 1 1 1 1 1 1 1 1 19 23 28
森 絵都 1 1 4 1 1 1 3 2 1 1 2 1 19 23 21
森沢 明夫 5 3 3 1 4 1 2 19 23 21
葉室 麟 1 2 1 3 4 4 1 3 19 23 21
宮城谷 昌光 6 6 3 2 1 1 19 23 21
岩井 三四二 2 3 1 1 1 2 1 2 1 3 2 19 23 34
絲山 秋子 3 2 2 1 1 2 1 2 1 1 1 2 19 23 28
山本 一力 1 1 5 1 3 4 1 2 18 32 28
宇江佐 真理 2 3 3 1 2 1 2 2 1 1 18 32 28
小川 洋子 1 2 1 1 2 2 1 3 1 2 2 18 32 34
高田 郁 2 3 2 1 2 2 3 2 1 18 32 28
村田 喜代子 4 2 3 3 1 3 2 18 32 41
南木 佳士 3 2 1 2 1 1 1 1 2 1 1 1 17 37 34
山本 周五郎 2 6 4 5 17 37 34
伊坂 幸太郎 5 2 2 2 3 1 1 1 17 37 34
中村 航 3 2 1 1 1 2 2 1 1 2 1 17 37 34
沢木 耕太郎 2 2 1 1 1 1 2 4 1 1 1 17 37 34
西 加奈子 1 3 3 3 1 5 16 42 41
朱川 湊人 2 1 1 5 2 2 1 2 16 42 41
木内 昇 1 1 1 1 1 1 3 1 4 1 1 16 42 41
森見 登美彦 1 2 2 1 3 1 2 1 1 14 45 45
あさの あつこ 2 1 2 1 1 2 1 1 2 1 14 45 45
伊吹 有喜 2 2 4 3 1 2 14 45 45
司馬 遼太郎 3 3 1 1 1 1 1 1 1 1 14 45 45
豊島 ミホ 1 2 4 2 1 2 1 13 49 49
青山 文平 3 3 2 1 1 2 1 13 49 51
津村 記久子 1 1 2 3 3 3 13 49 49

作品一覧

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