ジェイムズ・ヘリオット
このページの作成に当たってはSSさんのホームページ”DarrowbyTown”の情報を借用させて頂きました。
(DarrowbyTownは閉鎖されてしまいました。~2018/02付記)。
解説
「無人島への一冊」という設問がありますが、それに対する私の答えが「ヘリオット先生奮戦記」です。
ヘリオット先生は本当の獣医さん。新任獣医としてヨークシャーに赴任した頃から数年間の出来事を、50歳を過ぎて回想的に書き記しました。
作品は何冊か出版されてますが、全てヨークシャーの高地を舞台に、自身を主人公とする短編集です。そういう意味では全てをまとめて一つの作品と言って良いと思います。
登場人物は多彩です。主人公(写真中央)のほかに、ヘリオット先生の雇い主で、腕の良い獣医だが異常に忘れっぽくてヘリオット先生を閉口させるジークフリード(写真左;本名ドナルド・シンクレア)、その弟で怠け者でいたずら者のトリスタン(写真右;本名ブライアン・シンクレア)、奥さんになるヘレンなど。そして素朴で頑固でちょっと変わったヨークシャー地方の住民達。さらに大小様々な動物達。
そういった登場人物達が織りなす物語は、時に吹き出させ、時に感動を呼び、全体として暖かく、爽やかな読後感を呼びます。
これからも皆さんに紹介し続けたい本です。
略歴
年 | 記 述 |
---|---|
1916 | スコットランド サンダーランドに生まれる。本名ジェイムズ・アルフレッド・ワイト。 |
1939 | グラスゴー獣医大学卒業。同年、獣医の資格を取得。 |
1940 | ノースヨークシャー サークスのドナルド・シンクレアのもとで獣医となる。 |
1941 | ジョアン・キャサリン・ダンバリーと結婚。同年、英国空軍に入隊。 |
1943 | 英国空軍除隊。 |
1966 | 小説を書きはじめる(50歳)。 |
1970 | 「もし彼らが話せさえすれば」をイギリスの出版社セント・マーティンズ・プレスから出版。 |
1972 | 「獣医にあってはならないこと」を出版。「もし彼らが話せさえすれば」と「獣医にあってはならないこと」を合本して、「All Creatures Great and Small」としてアメリカで出版。ベストセラーになる。邦訳「ヘリオット先生奮戦記」。 |
1974 | 合本「All Things Bright and beautiful」(ヘリオット先生の動物家族)をアメリカで出版。 |
1977 | 合本「All Things Wise and Wonderful」(Dr.ヘリオットのおかしな体験)をアメリカで出版。 |
1978 | BBCのTVシリーズ始まる |
1995 | ヨークシャーの自宅で前立腺癌のため78歳で死去。 |
作品リスト 2021/09/01現在
英国で出版されたオリジナルストーリーは以下の8作
- If Only They Could Talk (1970)
- It Shouldn't Happen to a Vet (1972)
- Let Sleeping Vets Lie (1973)
- Vet in Harness (1974)
- Vets Might Fly (1976)
- Vet in a Spin (1977)
- The Lord God Made Them All (1981)
- Every Living Thing (1992)
日本では、これらの本が米国版に合わせて以下の形で出版されました。
- 『ヘリオット先生奮戦記』(ハヤカワ文庫)
(1)(2)と(3)の一部を合本し米国で出版された"All Creatures Great and Small"の翻訳 - 『ヘリオット先生の動物家族』(ちくま文庫) 絶版
(3)(4)を合本し米国で出版された"All Things Bright and Beautiful"の翻訳 - 『Dr.ヘリオットのおかしな体験』(集英社文庫)
(5)(6)を合本し米国で出版された"All Things Wise and Wonderful"の翻訳 - 『毎日が奇跡』(集英社文庫) 絶版
(7)の翻訳 - 『ドクター・ヘリオットの生きものたちよ』(集英社単行本)絶版
(8)の翻訳
さらに(1)~(8)の中からテーマ別にコレクションされた本も出版されました
- 『愛犬物語』(集英社文庫) 絶版
米国で出版された"James Herriot's Dog Stories"の翻訳(畑正憲さん) - 『猫物語』(集英社文庫) 絶版
米国で出版された"James Herriot's Cat Stories"の翻訳 - 『犬物語』(集英社文庫) 絶版
米国で出版された"James Herriot's Favorite Dog Stories"の翻訳 - 『動物物語』(集英社文庫) 絶版
米国で出版されたJames Herriot's Animal Stories"の翻訳
また児童書として以下が出版されているようです(未読)
- 『ヘリオット先生と動物たちの8つの物語』
"James Herriot's Treasury for Children"の翻訳
▽▽読了作品(2002以降の読了本は書評付き)▽▽