2001年から書き始めたトドの書評データベースです。
2019年7月に2000冊を越え、今も年100冊程度追加しています。
(書評が無いのは2000年以前の読了本です)


ジェイムズ・ヘリオット

2021/09/02 作品リスト追記

このページの作成に当たってはSSさんのホームページ”DarrowbyTown”の情報を借用させて頂きました。
(DarrowbyTownは閉鎖されてしまいました。~2018/02付記)。

解説

「無人島への一冊」という設問がありますが、それに対する私の答えが「ヘリオット先生奮戦記」です。
ヘリオット先生は本当の獣医さん。新任獣医としてヨークシャーに赴任した頃から数年間の出来事を、50歳を過ぎて回想的に書き記しました。
作品は何冊か出版されてますが、全てヨークシャーの高地を舞台に、自身を主人公とする短編集です。そういう意味では全てをまとめて一つの作品と言って良いと思います。
登場人物は多彩です。主人公(写真中央)のほかに、ヘリオット先生の雇い主で、腕の良い獣医だが異常に忘れっぽくてヘリオット先生を閉口させるジークフリード(写真左;本名ドナルド・シンクレア)、その弟で怠け者でいたずら者のトリスタン(写真右;本名ブライアン・シンクレア)、奥さんになるヘレンなど。そして素朴で頑固でちょっと変わったヨークシャー地方の住民達。さらに大小様々な動物達。
そういった登場人物達が織りなす物語は、時に吹き出させ、時に感動を呼び、全体として暖かく、爽やかな読後感を呼びます。
これからも皆さんに紹介し続けたい本です。

略歴

記   述
1916 スコットランド サンダーランドに生まれる。本名ジェイムズ・アルフレッド・ワイト。
1939 グラスゴー獣医大学卒業。同年、獣医の資格を取得。
1940 ノースヨークシャー サークスのドナルド・シンクレアのもとで獣医となる。
1941 ジョアン・キャサリン・ダンバリーと結婚。同年、英国空軍に入隊。
1943 英国空軍除隊。
1966 小説を書きはじめる(50歳)。
1970 「もし彼らが話せさえすれば」をイギリスの出版社セント・マーティンズ・プレスから出版。
1972 「獣医にあってはならないこと」を出版。「もし彼らが話せさえすれば」と「獣医にあってはならないこと」を合本して、「All Creatures Great and Small」としてアメリカで出版。ベストセラーになる。邦訳「ヘリオット先生奮戦記」。
1974 合本「All Things Bright and beautiful」(ヘリオット先生の動物家族)をアメリカで出版。
1977 合本「All Things Wise and Wonderful」(Dr.ヘリオットのおかしな体験)をアメリカで出版。
1978 BBCのTVシリーズ始まる
1995 ヨークシャーの自宅で前立腺癌のため78歳で死去。

作品リスト  2021/09/01現在

英国で出版されたオリジナルストーリーは以下の8作

  1. If Only They Could Talk (1970)
  2. It Shouldn't Happen to a Vet (1972)
  3. Let Sleeping Vets Lie (1973)
  4. Vet in Harness (1974)
  5. Vets Might Fly (1976)
  6. Vet in a Spin (1977)
  7. The Lord God Made Them All (1981)
  8. Every Living Thing (1992)

日本では、これらの本が米国版に合わせて以下の形で出版されました。

さらに(1)~(8)の中からテーマ別にコレクションされた本も出版されました

また児童書として以下が出版されているようです(未読)


▽▽読了作品(2002以降の読了本は書評付き)▽▽



ジェイムズ・ヘリオット