百均とコンビニでフォトエッチング

弁才船模型の船尾の船名札。我が家の玄関に有る実物の真鍮の打ち出し風に作りたくて。
そうしたら見つけました。どうも電気工作の人がプリント基板を自作するための手法の様ですが、真鍮の銘板もできます。
コピー機やレーザープリンターのトナーはレーザーの熱で紙に定着させています。それをアイロンで再加熱し、真鍮板に転写・定着させたトナーをエッチングのマスキングとして使う方法です。
我が家にはトナー式のコピーやプリンターが無いので、インクジェットで出力したものをコンビニでコピーしました。
原版の作成
- PCで印刷する絵や文字を作成し、左右反転画像にし、インクジェットプリンターでプリントアウトします。
- これをコンビニなどでコピーします。
- 真鍮板は裏面をマスキング(テープや油性塗料)します。
- 表面側は(コートされてる可能性があるので)1000番程のペーパーで研磨します。
- コピー面を真鍮板の表面に貼り付けます(水で軽く濡らして貼り付ければOK)。
- アイロンは低温と中温の目盛りの3/4位の位置で設定
- 紙の上から1分ほどアイロンを押し付けます(動かさない)
- これで紙が張り付いてしまうので、さらに念のため1分ほどアイロンをゴシゴシ擦り付けます
- 水に漬けて紙をふやかし、指先で軽く紙をこすり取ります。
- トナー部分は紙が残っていてもOK。文字の隙間などの細かな所は楊枝などで取ります。
- トナーの欠けや薄れが有ったら、油性塗料で補正します
アイロンの温度は機種やトナーの種類によって変わります。何度かトライして最適温度を見つけましょう。
多くのサイトで、紙はフジフイルムの「マット仕上げファイングレード」通称”ぶどう紙”が良いと書かれています(どうも綺麗にはがれやすいらしい)。レーザープリンターやコピー機を持っている人なら良いのですが、コンビニのコピー機は手差しをさせてくれないので普通のコピーをしました。確かに紙の繊維を取るのが面倒ですが、問題無く出来ました。
エッチング
用意するもの
塩(食卓塩)、クエン酸(コンビニで売ってる掃除用)、オキシドール(コンビニに有ります)
真鍮板が入るジッパー付きビニール袋、洗面器、お湯
- ジッパー付きビニール袋に塩小さじ1、クエン酸小さじ4、オキシドール30mlを投入します。
- 洗面器に50度ほど(お風呂よりちょっと熱い)のお湯を作ります。
- 1.のビニール袋をお湯に漬けて塩とクエン酸を溶かします。
- ビニール袋の中に真鍮板を入れます。泡が出てエッチングが始まります。
- 随時お湯を足して20分ほど湯温を50度ほどに保ちます。
- ピンセットなどで真鍮板を引き上げ水洗いします。
- 残ったエッチング液(酸性)は重曹などで中和して廃棄します。
塩、クエン酸、オキシドールの分量はさほど厳密である必要は有りません。
一般的に化学反応は温度が10度上がると倍になります。厳密な温度コントロールをしていないので、20分と言うのは目安です。これもトライアンドエラー。
ちなみに、最初は温度を上げすぎて、真鍮が銅のような色になってしまいました。
また、50度で40分ほど置いたものはトナーの剥がれた部分が出来ていました。


色んなデザインをトライしてます。
仕上げ
- 全面をマジックインクで塗りつぶします。
- スクレーパーなどの平らな板に張り付けた1000番の耐水ペーパーで水研ぎします。
- 防錆の為に最後にクリアー塗装します。

【データ】
製作時間;1時間
費用;コンビニのコピー代10円、クエン酸とオキシドール 200円(ダイソー)