Todoの独り言です。
最近はブログに書き込むことの方が多いのですが。。。。、

管絃祭

2003/07/16

今日は旧暦の6月17日。安芸の宮島・管絃祭の日です。管絃祭は厳島神社と私の住む地御前の神社の間を御座舟が往復する、平清盛による創始と伝えられる由緒あるお祭りです。
夕闇の濃くなった頃家を出て、歩いて5分程で地御前神社に着きます。狭い境内は夜店であふれ、神社の正面では帰りの引き舟の船子たちが、太鼓をたたいて踊りの奉納をしています。その横を通って、まずは神社にお参りし、そのまま目の前の海岸に出ます。砂浜に座り込み待つ事しばし、完全に暗くなった頃に右側の岸影から太鼓の音が聞こえてきます。やがて、先導舟、二艘の引き舟、御座舟が現れます。沢山の提灯が瀬戸内の穏やかな波に写り綺麗です。
ゆっくりと私たちの座り込んだ砂浜に近づくと、先導舟は放され、御座舟だけが海中に立てられた二本の柱の間を抜け、砂浜に着きます。同時に御座舟から笙(しょう)や篳篥(ひちりき)でしょうか、雅楽が響き始めます。御座舟は和船を三艘並べ、その上を舞台状に仕立ててあります。その中で二十人くらいの雅楽の楽師達が演奏しているのです。舷側に提げられた篝火(かがりび)が、薪が加えられたり、火勢の調整のためでしょうか、柄杓で海水をかけられたりするたびに火の粉を上げ幻想的です。
三十分ほど演奏が続き、曲が終わると御座舟は竿で後退を始めます。やがて船影から現れた帰りの引き舟が御座舟の先導を始めると、再び演奏が始まります。引き舟と御座舟は岸から少し離れたところで三度ゆっくり周ります。雅楽が途切れると、今度は引き舟から船頭歌というのでしょうか、良い声を夜の海に響かせながら、宮島を目指して帰っていきました。
私たちも、家で待つ息子(高校生)に夜店で林檎飴を買って帰りました。
故郷に住み続けて四十数年、最初から最後まで通しで見たのは初めてのような気がします。盛り上がりには欠けますが、のんびりとしたとても優雅なお祭りです。

管絃祭についてはこちら。また、地御前神社についてはこちら。
ちなみに今年はカメラを持って行き忘れ、写真は去年と同じものを使いました。