Todoの独り言です。
最近はブログに書き込むことの方が多いのですが。。。。、

スト突入

2004/09/20

プロ野球がスト突入しました。
今回のストは多くの支持を得ているようですし、私自身も賛成します。そもそもの発端は経営側に有り、かつ余りに一方的でした。前後の流れ無しに判断するのは危険ですが"たかが選手"といった発言に代表されるように、経営側の体質的な古さも感じさせます。これを直していくことは大切でしょう。
しかし、何れにせよかつて野球は国民的スポーツと言われたプロ野球は、このままでは今後も衰退の一歩をたどると思います。そしてその責任は、経営者側よりもはるかに多く現場、すなわち選手の方にあると思います。

元々野球と言うのは観戦に向かないスポーツではないかと思います。余りに静止状態が多すぎるのです。ある所でこんなデータを見つけました。
 試合時間;2時間39分
  ・インプレイ;33分
  ・バッテリーのサイン交換:1時間33分
  ・その他(投手交替/バッターがボックスを外してた時間など);33分
つまり、選手が体を動かしているいる時間は全体の1/5に過ぎないのです。それも、ほとんどはバッテリーと打者であり、残りの15人は静止状態にあるわけです。プロスポーツが野球しかなかった時代はそれでも良かったのでしょうが、サッカーなどの他のスポーツ放映が盛んになった今の時代、余りに動きに乏しいと言わざるをえません。 上記のデータはかなり古いデータです。最近のプロ野球の平均試合時間は3時間20分-30分です。試合が長時間化する傾向はずっと続いており、当然ながらインプレイの時間ではなく、それ以外の時間が長くなったわけです。つまり、ただでさえ希薄な試合がますます希薄になっている傾向に有るわけです。 例えば、高校野球の試合時間は平均して2時間20-30分くらいです。プロゆえの駆け引きがあるにせよ、余りに差が大きすぎるといわざるを得ません。

そもそもプロ野球とは何でしょうか。一つのショーなのです。ショーを見せて観客を喜ばせる。それに対して報酬を得る。それがプロ野球です。もちろん、剛球や針の穴を通すコントロール、ホームラン、華麗な守備などのプレイがショーの大きな要素です。しかし、それだけでしょうか?
例えば(最近流行みたいなので)マジシャンを例に取ります。マジシャンにとっては、舞台に上がっている全ての時間がショーです。その中には、次のマジックのための準備時間も含んでいます。ショーをだらけさせないために、そうした無駄な時間は極力少なくしようと努力しますし、その間にも何か小さな手品などしてお客さんを楽しませようとします。それがプロです。しかし野球はどうでしょうか?昨今のCM時間の長さは犯罪物です。その長いCMが終わっても、まだ次のイニングが始まらない。それが今のプロ野球の実態です。
何年か前でしたが、ホームランを打った打者をホームで迎えるのに、馬鹿さわぎをやってた球団がありました。身内で楽しんでいる、観客はそっちのけ。そんな風に感じたのは私だけでしょうか。

もう一つ別の視点から考えてみます。
球団は営利団体です。利益を上げて何ぼの世界、社会福祉団体では有りません(親会社の宣伝効果という利益も含め)。これを製造業に置き換えれば、選手は原材料、試合が商品、来場者や放映権が利益になるのでしょう。現状は原材料が高騰し、減少する購入顧客(来場者・放映権)をカバーできなくなり、多くの球団が赤字になっています。では、そうした場合普通の製造業ではどうするのか。
  1)安い原材料などを探し、製造原価を下げる
  2)商品価値を上げる。
  3)売り方を変える。
この2)が上に書いてきたような試合品質の向上に当たります。3)については製造現場に相当する選手よりも、経営側のマターになるでしょう。
さて、1)です。単純に言えば製造原価が売値より高い。それが赤字です。いくら選手の試合成績が良くても、客を呼べなければ(つまり利益が出なければ)価値は低いのです。単純に言えば、打率や防御率と言った成績よりも、その選手が何人の客を呼んだかがその選手の価値であり、給料を決める基準であるはずです。しかし、見回したところ、赤字球団(つまり客の呼べない球団)でも余りに高い年俸の人が居ます。私にはその選手の価値(何人客を集められるか)よりも、はるかに高い給与としか思えません。なぜなら、客を集められなかった結果として赤字になっているのですから。
その点、新庄選手は凄いですね。成績そのものはたいしたことが無くても、ファンを引き寄せる凄いショーマンシップをもっています。まあ、皆が新庄になっても困ってしまいますが。
選手給与の異常な高騰が球団の赤字を招いた。それが今回の発端です。選手としての寿命の短さを理由に挙げる人も居ますが、もっと短いサッカー選手に比べてもはるかに高いのです。スター選手の給与は大幅に削減する。選手はその分CM出演などでカバーする。それを球団が美味く支援してやる。そんな風になれば良いのではないかと思います。

プロ野球の衰退を防ぐには、もっとファンの気持ちになって考えること、それが大切です。多くの選手がヒーローインタビューなどで"ファンの皆さんの・・・"という言葉を口にします。私にはどうもそれが口先だけに思えるのです。極言すれば高給取りになって、ファンを見下しているようにさえ思えるのです。
プロ野球はショーです。試合に勝つ、ホームランを打つ、完封する、それらはショーの大きな要素ですが、それ以外にもファンを喜ばせるために出来る努力はたくさんあるはずです。そこをちゃんとやってこそ、本当のプロなのではないでしょうか。
今回のストの合間に、多くの球団の選手がファンサービスに努めました。それはとても良い事です。その姿勢を試合の中や、通常の毎日でも見せていただきたいのです。