三人組
2005/10/01
随分と涼しくなりました。読書の、そして食欲の秋ですね。
先日、熊谷達也さんの「冒険の日々」という本を読みました。小学生の男の子3人の冒険と成長の物語です。それを読みながら、ふと気付いたことがあります。
こうした男性の3人組を主人公とする物語は数多くあります。
少し広義に捉えれば、ごく最近読んだ本でも「火怨」もそれに含まれますし、映画化された藤沢周平の名作「蝉しぐれ」や浅田次郎の「きんぴか」、平岩弓枝の「御宿かわせみシリーズ」などたくさん思いつきます。
そして、それらの主人公像を見ていくと、大きく3つのタイプに分類できるようです。(太字は主人公を示します)
タイトル | 武闘派 | 頭脳派 | 癒し系 |
---|---|---|---|
冒険の日々 | 稔 | 私 | 巌夫 |
火怨 | アテルイ | モレ | イサシコ |
蝉しぐれ | 文四郎 | 与之助 | 逸平 |
きんぴか | 大河原勲 | 広橋秀彦 | ピスケン |
御宿かわせみ | 東吾 | 宗太郎 | 源三郎 |
やはりこうした人物配置がもっとも落ち着くのでしょうね。類型的と批判的に言うよりも、ごく自然の発想としてこういう配置が出来上がる、そう考えた方が良さそうです。
ここまで書いてきて、ふと思い出しました。
例えば庭石や庭木の配置、あるいは私は良く知らないけれど華道の基本、それには主、副(そえ)、対と呼ばれる不等辺三角形が基本だそうです。安定した自然さを演出する、共通的な手法なのでしょうね。