Todoの独り言です。
最近はブログに書き込むことの方が多いのですが。。。。、

マスコミ批判(その2)

2011/11/05

東日本大震災、福島原子力発電所の事故。連日マスコミで取り上げられました。
その中でテレビ、新聞などは「政府はもっと分かりやすい説明を」と口を揃えて言いたてました。確かにシーベルトなどという聞きなれない用語が頻出するし、そもそも放射能の影響については定説が無いこともあり歯切れが悪く、政府の発表は分かり難かったと思います。しかし、そのような報道を連日のように聞いているうちに、何か変だろうと思い始めました。
政府に分かりやすさを求める事自体は正しいのです。しかしマスコミの役割は政府の言葉をそのまま伝える事ですか?政府の言葉が分かり難ければ、それを読者に分かり易く翻訳するのもマスコミの役割では無いですか?

マスコミならば、大学などの様々な研究機関に問い合わせることも出来るはずです。放射能の影響に定説は無いのなら、最小と最大の意見を調査することも出来るはずです。過去の原発事故や自然放射能の影響に関する文献調査や問い合わせも出来るはずです。そしてそれらを要領よくまとめ、報道することも出来た筈です。
しかしマスコミがやったのは、良くて専門家を連れてきて解説させる程度でした。専門家はいつも専門家同士で専門用語を使った議論をしています。ですから技術が高度になればなるほど、素養も用語も違う素人に解説するのは難しくなるものです。一旦専門家の意見をマスコミが聞き取って、それを素人が判るように変換する方が効率よく伝達できたはずです。もっとも専門家でもない連中(いわゆる評論家と言われる連中)が「感想」を述べ合って時間をつぶしている番組よりは遥かにマシですが。

(その1)ではマスコミの役割は政府批判では無く、正しく評価をする事。そのためにはマスコミ自身が「何が正しいのか」という意見を持つ必要がある、と書きました。
しかし、今回の話題はそれよりもう一段低次元です。自分の意見を持つ必要はないのです。ただ、政府や専門家の言葉を、素人である読者に判る言葉に変換する事なのです。判り易く伝える事なのです。今のマスコミは、それさえ放棄しているように見えるのです。ただの伝達係りに近いのです。

池上彰さんが居ます。池上さんの意見が正しいかどうかはひとまず置きます。
しかし、一つの事を鳥瞰図的な様々な視点から、しかも理解しやすい言葉でしゃべります。そういう意味では上に書いたマスコミとは違う人です。そして池上さんがこれだけ人気が有る(出演が多い)と言うのは、逆に言えばそれ以外のマスコミがそうしたことが出来てない証しなのだと思います。
困ったものです。