Todoの独り言です。
最近はブログに書き込むことの方が多いのですが。。。。、

弁才船模型を巡る旅

2018/10/17

目的地;太字が弁才船模型関係

旅行の計画は家内の興味を主体に組むことが多いのですが、今回の目的は、私が今取り掛っている弁才船・河市丸の模型製作の参考にする為に各地の弁才船模型を見て回ることです。
とは言え、私が行きたかった堺市博物館の隣は家内が以前から行きたいと言ってた仁徳天皇陵だし、そこから瀬戸内海歴史民俗資料館に行く途中には、二人で以前から行ってみたいと言っていた大塚国際美術館があります。
そんな訳で、少々駆け足ですが、面白い計画にすることができました。


写真はクリックすると拡大します

10月10日

例によって早朝(6:10)の出発です。
新大阪から大阪を経由して、堺市の百舌鳥(もず)に着いたのはは9:30頃。
まずは仁徳天皇陵へ。遥拝所からみる天皇陵はタダの雑木林。まあ、事前に「日本3大ガッカリ」に含まれることも有ると聞いていたのでそんなものかと(ちなみにその他の3大ガッカリは札幌の時計台と高知のはりまや橋)。
向かいの大仙公園内に戦没者慰霊のための平和塔(高さ60m)があり、その最上階から見下ろせば古墳らしい形が判るのではないかと思うのですが、平和塔内部は立ち入り不可です(最初はエレベーターをつける計画だったそうですが…)

仁徳天皇陵
鳥居の向こうは堀。その先に見える雑木林が仁徳天皇陵です。
仁徳天皇陵
GoogleMapで作った平和塔頂上からの仁徳天皇陵の想像図

続いて大仙公園内の堺市博物館に。目当ては弁才船のカットモデルです。
古代好きの家内が他の展示を見ている間に、私はほぼわき目も振らずに弁才船模型に。
いや~、よく作ってあります。ガラスケースの中ですし、照明が不十分なので写真は撮り辛いのですが、内部構造は良く判ります。バチバチと写真を撮りまくり。
しかし、模型はこれと大きく破損したもう一艘しか有りませんでした。

カットモデル
カットモデル船首部。外も中もきっちり作ってあります。
カットモデル
船尾から。ボケてますが船内の扉まで作り込んであります。

少し時間があるので、近くの履中天皇陵まで往復。途中にある小山も全て古墳です。履中天皇陵は堀際から見られるので、何となく前方後円墳の円墳側を見ているんだということが判ります。まあ、堀が無ければやっぱりただの雑木林ですけど。。。。

履中天皇陵
頭頂部から見た履中天皇陵
百舌鳥の地図
百舌鳥古墳群の地図

再び堺市博物館に戻って、そのまま仁徳天皇陵の横を歩いて三国ヶ丘の駅へ。実際に歩くと世界一と言われる古墳の大きさが実感できます。ここから南海線に乗ってなんばへ。

お好み焼き
通天閣! 

乗り換えの為に訪れたなんばですが、実は初めてなので昼食を兼ねて雨の中ふらふら歩きまわります。
千日前道具屋筋からなんばグランド花月。
「やっぱり昼は粉もんかな~」と路地を覘いたらお好み焼き屋さんがありました。「おかる」という店で、そこそこ有名な老舗らしく。「他の店じゃ怒られます」と言いながらお好み焼きを押しつぶし、代わりに蓋をして蒸してフワフワに焼き上げます。焼き上がったところにマヨネーズで絵を書いて完成。
やや酸味が効いて、サッパリした感じの美味しいお好み焼きでした。

さらに法善寺(包丁い~ぽん♪)→かに道楽→ドン・キホーテ観覧車→戎橋からグリコサイン。
いや~大阪・なんば。一言でいうなら何ともパワフルです。
雨の中にも関わらずかなりの賑わいですが、アジア人だらけという感じです。
クルッと見て回ったら(何か忘れたと思ったら食いだおれ太郎に逢い損ねた;笑)阪神電鉄に乗って、神戸大学海事博物館へ。

法善寺
法善寺の水かけ地蔵
道頓堀ドンキの観覧車
頓堀ドンキの観覧車
グリコサイン
定番・グリコサイン。おっちゃん邪魔だな~

元は神戸商船大学。今は神戸大学に統合されて神戸大学海事科学部となっており、博物館はその学内にあります。
入試案内でもあるのでしょうか、先生に引率された30人ほどの男女の高校生たちが大学に入って行きます。
まずは校門の守衛所で「博物館を見せて頂きたいのですが・・」と言うと、ちょっと調べて「ああ、今日は開いてますね」
大学の博物館ですからね。月・水・金の午後1:30-16:00の間だけの公開です(調査済み)。

さすが大学の博物館です。当然ながら他に誰もおらず、展示物も専門的でそっけない。何やらゴソゴソしてると嘱託の方が寄って来られて事情を話すと「触れないでください」と書かれた展示物をあけて見せてくれたり、専門書を見せてくれたり、色々親切にに教えてくださいました。「ここは構造の勉強になりますよ。何せ壊れた模型が多いから」確かに半分壊れて中が丸見えの模型が多く、構造は良く判ります。ここでも写真を撮りまくり。

神戸商船1
とても精緻に作られた模型です
神戸商船2
天井を外し中を見せてもらいました。感謝。
神戸商船3
船尾の外艫が壊れた模型。逆に板の継ぎ方が判りやすい
神戸商船4
立派な模型も沢山ありました

歩き回って疲れました(結局この日は2万歩越え)。
神戸のホテルに入って一休み。このホテル、駅から近く、9月末に新築されたばかりです。普通のビジネスホテルですから狭いのは当然ですが、設備が新しい為か”コンパクトにまとまっている”という印象の方が強く。オープン特価中で安いし(笑)。

夕食は三宮のガード下狙いだったのですが、駅裏に出て目に入ったのがステーキランド神戸店。やっぱり神戸牛でしょう!と言いながら入店。店全体が大きな緩いアーチ形の鉄板で、中に焼き手が、外側に一列に客が並ぶスタイルです。頼んだのは一番安いステーキセット(200g)。なにせうちの家内、高級ステーキを食べるとお腹を壊す(先日、近江で実証済み;笑)のです。
でも流石に神戸牛、柔らかくておいしかったですよ。満足満足。ここも客の多くはアジア系の旅行者のようでした。


10月11日

三宮から高速バスで鳴門に。 降りたのは鳴門公園前。この日の渦の最盛期は13:30なので、渦見学はスルーしてまずは大塚国際美術館へ。予定では鳴門大橋が見える展望台を経由して歩いて降りる予定でしたがあいにくの雨。タクシーを呼んで1メーターで美術館に到着です。徒歩→タクシーのせいで9:30の開館前に着いてしまいました。

製薬や食品で有名な大塚グループが作った美術館です。グループ内の大塚オーミ陶業という会社が開発した特殊技術を使い、写真を介して陶板に転写した原寸大の複製名画を展示する美術館です。とにかく大きい。地下5階、地上3階の山をくりぬくように作られた地下美術館で、展示は地下3階から地上2階まで、国内では国立新美術館が出来るまでは最大の展示面積を持ち、総延長4㎞、1000点を超える展示があります。
入り口は山の下、地下5階。入るといきなり長いエスカレーターで地下3Fへ。正面の室内にバチカンのシスティーナ礼拝堂が現れます。

美術館入り口
入り口は地下5階。上に見えてるいるのが地上階です
長いエスカレーター
長いエスカレータを登ると展示室

この美術館の特徴は、当然すべてが複製の陶板絵画であることですが、
1)環境展示;古代遺跡や教会などの壁画を環境空間ごとそのまま再現した今までにない臨場感を味わえる立体展示。
幾つもの環境展示があります。私たちが実際に行ったことのあるバチカンのシスティーナ礼拝堂やポンペイの秘儀の間も有りました。実際の現場は観光客も多く、何やらザワザワした雰囲気で落ち着かないものですが、ここでは(人はそこそこ居ますが)ゆっくり観ることができます。
他にもゴヤの家の、ゴヤ自身が描いたの気味悪い絵に囲まれ、どうにも食欲が沸きそうもない食卓や居間の再現などありました。
2)画家たちの代表作が一堂に
様々な美術館の収蔵品を集めた企画展が常設されている感じで、画家の(実際には開催不可レベルの)代表作がずらりと並びます。例えばゴッホ。日本、ドイツ、イギリス、アメリカ、個人蔵など、ゴッホが描いた7つのひまわりが一室に展示されていました。
3)すでに見ることができない絵の展示。
ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」は修復前と修復後が向かい合わせに展示されてます。当然修復前の絵は今では見ることができないものです。比べてみるとなんか修復前の方が雰囲気が有って良いのです。他にもこういう展示が何点かありますが、先のゴッホのひまわりの一つは焼失してしまったものを再現したものでした。
4)曲面→平面
古代の展示の中に壺等に描かれた絵を平面に転写した状態で展示したものが有ります。これもなかなか面白い。

システィーナ礼拝堂
特徴1)実物大のシスティーナ礼拝堂(バチカン)
スクロヴェーニ礼拝堂
特徴1)同じくスクロヴェーニ礼拝堂(イタリア・パドヴァ)
七つのひまわり
特徴2)ゴッホの七つのひまわり
マネ
特徴2)ズラリと並ぶ画家の代表作(マネ)
最後の晩餐
特徴3)向かい合う最後の晩餐 左が修復前
エジプトの壺
特徴4)エジプトの壺を平面に転写したもの

途中で館内のレストランで食事。私は阿波尾鶏のかつ丼、家内はヴィーナスカレーなるシーフードカレー。「おいしい、でもちょっとボンカレーを思い出す」と言うのが家内の感想でしたが、後で気が付きました、ボンカレーって大塚食品じゃん(爆)。

ランチの後しばらく展示を見た後で美術館から一時退出して路線バスで再び鳴門公園に。目指すは「渦の道」、鳴門大橋の下に設置された渦潮見物の遊歩道です。全長450m、地上(海上と言うべきか)45m。途中に何カ所かお決まりのガラスの床もあり、そこから見下ろす海面はまるで川のように流れています。下からの海の流れる音に加え、頭上を走る車の音、振動などもあり、ちょっとスリルがあります。
先端部が展望所。丁度大潮の干潮の渦潮最盛時、消えては出来る渦は迫力ありました。

鳴門の渦
「渦の道」先端展望台から見下ろす鳴門の渦
遊覧船
遊覧船も沢山います

再びタクシーで大塚国際美術館に再入場。残りの展示を見て回ります。しかし、どこまでも続く展示です。すでに集中力は無くなっています。最初は楽しんでいた観覧も「所詮複製画じゃん」と思い始め、最後は「意地で回り切った」感じでした。
余りに膨大な展示なので、ちゃんとテーマを持って行った方が良いですね、もう一度行くことも無いでしょうが。。。
開館の9:30から閉館前の16:30くらいまで、間で1時間ほど渦の道に行ったので、食事や2回のコーヒータイムなどを含め6時間の滞在でした。

美術館
行けども行けども続く展示室。何せ総延長4㎞です。
遊覧船
「真珠の耳飾りの家内」(爆)

少しボンヤリと休み時間が取れて、路線バスで徳島に(1.5時間)。徳島駅で食事して、眉山の麓のビジネスホテルに。昨夜と同じクラスのホテルで、清潔なのですが全てが古い感じのホテルでした。余力があれば、ロープウエーで眉山に登り夜景でも見ようかと思っていたのですが、余力なんぞ無く、さらに雨ですから、ホテルで体を休めます。


10月12日

ホテルで無料朝食(おにぎりetc、まずまず美味しい)を摂った後、徳島駅に出て高速バスで高松に(JR高徳線よりかなり安い)。
高松でレンタカーを借りて瀬戸内海歴史民俗資料館を目指します。本日は晴天。海岸沿いの方が近いのですが、ちょっと回り道をして2000年に無料化された五色台スカイラインを通ります。木々に覆われた綺麗な道なのですが、逆に覆われてしまって瀬戸内の景色は良く見えません。結局絶景スポットに当たらない(気づかない)まま、目的地の瀬戸内海歴史民俗資料館に到着。お城の石垣を思わせるちょっと変わった建物群です。無料。

目的は弁才船模型ですが、漁船など瀬戸内で使われていた多くの木造船(実物)も展示されてます。その中で気になったのが真網船という漁船。「でかいな~」と言う感想なのですが全長12mと書かれています。河市丸は19m程だと考えているので、その1.5倍は有ります。家でも巻き尺などで19mがどの位かは実感していたつもりなのですが、立体の実物を見ると違いますね。
その他にも和船の製造工程の展示(弁才船だろうが漁船だろうが、どれも同じような造りなのです)なかなか興味深く。
屋上からは瀬戸大橋など瀬戸の景色を楽しむことができました。

真網船
全長12mの真網船。現物は質量感で圧倒されます
船腹の板
船腹の板をあぶって曲げてるところ
カットモデル
梁部のカットモデル
屋上からの景色
昨日までが嘘のような良い天気。屋上から瀬戸内を望む

出発して、海岸線を丸亀方面に向かって走ろうと坂を下って居たら突然カーナビが「この先は通行不能です」と言い始めました。海岸線に出たところを左折(西方面)したいのですが確かに通行止めになって居ます。仕方なく右折(東)してカーナビの指示通り2/3くらい高松まで戻り、そこから改めて琴平に向かいます。目指すは琴平海洋博物館。

ネットで見る限り如何にも昭和の小さな博物館です。大した物も無さそうで、外しても良いかなと考えていたのですが、1Fフロアーにあったこんぴら丸(おそらく100~150石の弁才船の原寸模型。但し後ろ半分は無い)は結構出来の良いものでした。何せ原寸大なので判りやすい。またまた写真を撮りまくり。受付の女性に「お好きなんですか?」と聞かれてしまいました。その他の展示はサーッと眺めておしまい。小学生たちが作った船の模型が楽しかった。ここですでに1時過ぎ。

琴平丸1
入り口横にある150石ほどのこんぴら丸の現尺模型
琴平丸2
現尺なので迫力があり、判りやすい
図面
私がベースにしたのと同じ船図のコピーが展示されてました
千石船
こちらは千石船の模型。綺麗な出来です。

ここで昼食。レンタカー会社がカーナビにうどん屋さんを入れてくれています。判んないので一番上をチョイス。次に向かう丸亀とは逆方向の店でした。まあ、5㎞ほどなので良いか。
で、たどり着いたお店が「長田」。後で調べたら「釜揚げうどん発祥の店」とかで讃岐全体でもBest3に入る有名店でした。しかも平日の1:30ともなると客はまばら。
うどんのメニューは釜揚げのみ(温・冷、サイズは様々)。後はおにぎりとお稲荷。出て来たうどんは普通より良く煮込んだ感じで、表面は柔らかく、中は腰がある。美味しいうどんでした。

うどんや1
うどん屋長田の暖簾
うどんや2
店内。2時前なので客はほとんど居ませんでした

余力があれば善通寺と思っていましたが、やっぱりパスして(そもそも20年ほど前に一度来た事があるとは言え、琴平に来て海洋博物館にしか寄らない私達です)丸亀城に向かいます。

この春に彦根城に行ったばかり。最近、現存天守閣に凝ってます(笑)。20年前に来た時はスルー(と言うか、城を見上げた記憶さえない)したのに。。
面白いですね。現存12天守閣で最小の天守閣が最も高い石垣の上に乗ってます。
うっかり蹴躓いたら下まで転げ落ちそうな急坂を登って天守閣に。中に入ると、確かに柱は太いけど味もそっけもない作りで、ただただシンボルとして建てられた感じです。例によってハシゴと呼んだ方が良さそうな急な階段を一番上の三層目まで登ると良い景色、眺めは確かに一国一城の主になった気がします。

丸亀城
日本一小さな現存天守閣が日本一高い石垣の上にあります
丸亀城
大手一ノ門。天守より立派?
丸亀城
天守内の階段。いずこも階段と言うよりハシゴです
丸亀城
天守1層目。柱が林立し、そっけない作りです
丸亀城
天守最上層からの景色。石垣が高いので一国一城の主の気分
丸亀城
瀬戸大橋が良く見えます
丸亀城
上の石垣下から見た天守。こうしてみると立派ですね
夕焼け
一路帰途に。瀬戸大橋からの夕焼け

これで全予定を終了。駅前でレンタカーを返却し丸亀駅に。
疲れたのでちょっとコーヒータイムを取り、お土産を買って列車に乗りました。瀬戸大橋からの夕日など眺めながら、広島駅までは1時間半ちょっと、近いものです。