山口旅行
2泊3日の小旅行。
雨と雨の間に丁度嵌って好い天気に恵まれ、散り始めの桜も印象的な2泊3日の小旅行でした。
萩は学生時代、長門市(正確には青海島)には子供たちが小さい頃に訪問してますが、それからすでに云十年。隣県には意外に行く機会など無いものです。
4/06~山口市内観光
近間の旅行のせいもあって、いつもよりゆっくり出発。とは言え、家を出たのは6時30ごろですが(笑)
久しぶりの新幹線こだま・自由席で新山口へ。荷物をコインロッカーに預け、山口駅までディーゼルのワンマンカーです。
山口は広い谷間にある街です。左岸側の駅から右岸側の瑠璃光寺までバスで移動し、中央部まで歩いて帰ってくる計画です。
まずは瑠璃光寺・五重塔。良いですね。
深い茶色が独特の色合いで、背景の緑に沈み、なんだか距離感が上手くつかめません。なんか幽玄。桜の花にも映えます。三年にわたる檜皮葺屋根の全面葺き替え工事が昨年末に終わったばかりとの事ですが、修復跡をほとんど感じさせない見事な仕上がりでした。
本堂は小ぶりですが両脇に回廊があり佇まいも良い。まだ、団体客が少ない時間だったせいもあるのでしょうが。
続いて向かったのが菜香亭。明治10年に立てられた料亭で、山口の迎賓館。今は市が管理し、観光施設、市民交流の場として使われている施設です。何と言っても見ものは100畳の大広間と、その長押にずらりと並べられた著名人の扁額。伊藤博文・山県有朋・木戸孝允・井上馨、さらには岸信介・安倍晋三。さすが長州。しかし他にも田中角栄・竹下登なんてのもありました。いや~~、錚々たるる面々ですね。個室(いくつかは使用中)や庭もあって、なかなか見ごたえがありました。
直ぐ近くに、同じ方向に向かって、双子の様に並んで建てられている野田神社・豊榮神社があります。
規模もそこそこあって、杉林に囲まれた良い雰囲気の社なのですが、無住のようで荒れ放題。塀に囲まれた境内にも入れません。少し整備すれば見応えがありそうなのに、勿体ないですね。
その向かいが山口総鎮守・今八幡宮です。建物は重要文化財。
建て方がちょっと変わってます(山口地方特有)。手前に横長の楼門があって、その先に四角の一間(拝殿)、一番奥に本殿。3つの建物が直線に渡り廊下で繋がっています。お参りは楼門の前から。室町時代の建築で本堂のそこかしこにある彫り物も見事です。
さらに八坂神社、龍福寺(本堂が重文ですがなんかピンとこなかった)を経て、桜の名所一の坂川に。桜の花は満開を超えて散り始めですが、まだまだ見ごたえがあり、なかなかの風情です。そこそこの人出もあり、食事所を探しながら逍遥し、入ったカフェは2階の窓から一の坂川の桜を眺められる良い店でした。
昼食後、新山口へ帰る便を確認に最寄りバス停に行ったら、ちょうどバスが来ました。そのまま乗車。
新山口駅で近所へのお土産物(御堀堂の外郎:美味しかった)を家に送ってもらう手配をして、予約した時間より少し早かったのですがレンタカーを借り出して、今夜の宿、長門湯本温泉のホテルを目指します。
途中、別府弁天池で休憩。思ったよりポツンと小さな池があるだけですが、なかなかきれいです。
温泉街の端にある観光ホテルに2連泊です。良く言えば老舗、悪く言えば宴会場やボーリングなどのアミューズメント施設を持ち、しかもその幾つかは閉鎖中という、時代に取り残されかけたホテルです。Wifiもロビーしか使えないし。もっとも宿泊客はそこそこ居て、古さは感じるけど頑張っている感じ。部屋で一休みして、歩いて温泉街の中央に向かいます。
中心にあるのが恩湯(おんとう)。約600年の歴史を持つ長門湯本温泉の元湯であり、共同浴場。これが変わってる。
入るとまず洗い場があり、温泉は別室。そこは奥行およそ10m、幅4m。奥側の4m程が浴槽で手前には何もない。壁も床も50㎝角の石のタイルで造られた窓もないのっぺらぼうの長方形空間。天井も高くなくて四角いトンネルの中の様です。これが男女二つ並んでいる。飛んでもなくモダンと言うか、そっけない。そして浴槽の先が建物内部に取り込まれた、おそらく天然の河原で、上部にしめ縄が張ってあり、その下の岩の間からからチョロチョロとお湯が沸き出していまする。これが「源泉」のようです。
浴槽の深さは1m程もあり、両サイドには高さ・奥行共に50㎝ほどの段。そこに座ると丁度椅子のようで良い感じ。
ph9を超えるアルカリ泉で、皮膚がヌルヌルする感じがします。お湯はぬるく、何時までも入って居れそうな感じの心地良さ。
ホテルや旅館の食事に余り価値を感じません。安いホテル狙いで行くので、どの土地でも刺身に陶板焼き(あるいはしゃぶしゃぶ)と言った芸の無さ。なので、ホテルは素泊まり。ところがここにはめぼしい食事所が無く「温泉街まできてイタリアレストランかい」などと想いながらTARUというお店に入りました。
ボリュームのある前菜は各自、加えてスパゲティとピサを一品ずつ取ってシェアしたのですが、これが良かった。特にお皿に残ったペペロンチーノのたっぷりしたオリーブオイルが美味しい。思わずフォカッチャを追加注文してオイルに浸して頂きました。満足~。
ホテルに帰って一休み後、今度はホテルの温泉に。
大浴場にサウナ、泡風呂、そして露天風呂。古いし綺麗とは言えないけれど、流れ込む湯量は大量だし、蛇口の圧力も高く、泡風呂の泡も大量。何やら全力投球のお風呂で、露天風呂には脇に植えられた桜の花びらが浮き、家内はすっかり気に入って居ました。
4/07~元乃隅神社/角島/福徳稲荷神社
ホテルの朝食をとって、まずは温泉郷の端にある大寧寺に。
苔むした、でも清潔感のあるなかなか良いお寺。桜が綺麗。併設する長門豊川稲荷の半円形に並んだ狐像は妙な迫力を感じます。
続いて車で30分ほど、元乃隅神社の手前の千畳敷。
人気の元乃隅神社には混雑を避けるために9:30の開門と同時に入るつもりです。千畳敷については「単なる野っぱらです」という口コミを見ていたので時間調整が主目的で寄ったのですが、ここから見る日本海の景色は、寒い強い風に吹かれながらも、しばらく見とれてしまうほど見事でした。あの口コミの主は景色に興味がないか、あるいは霧の日だったのか。
そして元乃隅神社。
平日の開門直後という事もあり、駐車場の観光バスは1台だけで自家用車も少ない。整理の人は沢山出ているので、お昼ごろには人が一杯来るのでしょうね。車を降りてみれば、まずは日本海とそれに立ち向かうような厳しい岬の景色が良くて、その中に赤い鳥居の列がある。どうも千本鳥居=観光地化されて俗という悪いイメージがあるのですが(一観光客である私が言うのも変ですが)、それ以前に青い海と白波と荒涼たる岬という厳しい自然の中の鳥居の列からは俗っぽさを感じることなく良かったです。まあ、早朝で人が少なかったというのもあるのでしょうが。
次に向かうのが角島。
まずは角島大橋。CM等で良く見かけますが、天気が良くて特に綺麗。風は強くて冷たいですけどね。
橋を渡って島の先端にある角島灯台を目指します。道も良く、快適。
角島灯台は上まで登れる現役灯台です。ウイーン大聖堂の塔の内部を思わせる螺旋階段(100段強)を登り、外に出ると・・・。高所恐怖症の傾向のある私には結構きつい高さです。絶景ですが、何より風が強い、寒い。気のせいか風で塔全体が揺れてる気がします。写真を数枚とってあっさり退散。でも、良かったですよ。
近くのレストランで海鮮丼+瓦そばの昼食。窓から日本海が見渡せる絶景レストランですが、何と食事中に窓の真ん前にゴミ収集車がとまり、レストランの厨房から出た生ごみの収集が始まりました。海は見えず、見えるのはゴミばかり(涙)。
開店前にするか、場所を変えるか、何とかして欲しい。
次に向かったのは福徳稲荷神社。
海に向かう高台に建てられた朱色の神社。佇まいは信仰の場と言うより観光用のイメージなのだけど、とにかくやたらと注意書きが多い。曰く「正中線は神様の通路なので立ち停まっては行けない」「拝殿周辺の写真、および拝殿を背にしての写真禁止」etcetc。何だろう?違和感ばかり。ここにもある千本鳥居を端まで往復して、参拝終了。それにしても朝から長門豊川稲荷、元乃隅神社、ここと3つの稲荷社をはしごした一日でした。
長門湯本の温泉に帰ります。走っていると、行きも帰りも道のそばの満開の桜を見かけ、そのたびに「お~~」と言う声が出ます。
喉が渇いたので喫茶店を探すも良い感じの店が見つからず。結局ホテルの駐車場まで戻って、歩いて温泉街の喫茶店に行き一息。
ホテルに帰って晩飯前に一っ風呂。本当は、他のホテルの日帰り温泉を使うつもりでしたが、家内がこのホテルの温泉を気に入って、わざわざ他のホテルまで行かなくていいと言うので。
夕食はホテルに併設された居酒屋で。部屋にあったメニューを見て、余りの平凡さ二の足を踏んでいたのですが、ここが良かった。
まずは地酒として獺祭 純米大吟醸 磨き四割五分を注文。名前は知ってはいますが飲むのは初めて。これが衝撃的でした。しかし考えてみれば、これは岩国の酒ですからね、ここ長門よりわが家の方が岩国は遥かに近い(笑)。それで気を良くして、お店お薦めのブリのカマとかタコの唐揚げとか、特に凝った料理では無いのですが、注文すると良いタイミングでアツアツが供されて、美味しい。作り置きで一寸冷えた旅館の夕食よりよほど良いです。
部屋の帰って、少酔いを醒まして、再び温泉に浸かって本日終了。
を物語っているような気がします。
4/08~萩観光
ホテルの朝食が始まる前の6:30過ぎにチェックアウト。
さて、萩へと車を出そうとしたら、4月と言うのにフロントウインドに霜が付いて、ウォッシャー液とワイパーじゃ剥がれない。外に出てティッシュ等でこそぎとって漸く出発。
萩市の「すきや」で朝定食。何せ山口県の日本海側には7時台に開いてる飲食店が萩のすきやとジョイフルの2軒しか見つからず。
朝食後、まずは反射炉に向かいます。幕末の遺産。大きな桜の木をバックに少し壊れかけた姿が何やら郷愁の様なものをを誘います。「興味無い」と言ってた家内が「来てよかった」と。。。
次に松陰神社の駐車場に車を入れて、東光寺まで歩きます。8:30、開門とほぼ同時に入門。
弁柄色の総門と巨大な南大門。参道脇の桜は今も十分綺麗ですが、1週間ほど前なら本当に見事だったと思います。
朝一番なので他に人は居ません。本堂を拝むと、その横の建物の前に住職の奥さんらしき人がいて「今日は花祭りですから、甘茶を」と声をかけて頂きました。小さな釈迦像にお茶をかけ、甘茶を頂きます。生涯初めてかな。
つづいて本堂の奥にある毛利家のお墓へ。立ち並ぶ灯篭、奥に立つ大きなお墓。いや、独特の雰囲気ですね。なにやら敬虔な気持ちになります。良い感じ。
ゆっくり歩いて駐車場まで。途中には維新の有名人の旧宅などがあります。伊藤博文、下級武士の出ですが、旧宅はそれなりの家。そして品川から部分移設した別邸は、華美では無いけれど電灯のカバーなどオシャレです。
有名な松下村塾、松陰幽閉の旧宅など見てから、松陰神社に参拝。
陶房大桂庵樋口窯という窯元で「電動ろくろ体験」です。1時間コースですが30分は奥さんによる講釈。それから伝統工芸士の御主人にサシで轆轤を教えてもらいます。私は湯呑、家内はご飯茶碗を所望。まずは私が挑戦。轆轤を挟んで私と御主人が正対して座り、作り方(手順と手順毎の手の構え方など)を教わりながら、作っては修正され、上に引き伸ばしては形を整えられ。。。まあ、最初の湯飲みは、ほぼ工芸士の作品(笑)。
次に私一人で作陶。ご主人は私の横に座っていた家内の対面に行って家内に教えます。私の様子を見ながら時折アドバイス。工程の1/3くらいでクシャッと潰してしまったら、ご主人はこちらに席を移して手早く同じ工程まで作ってくれました。
上に上にと伸ばしながら引き上げて行くのですが、一度壊した恐怖感もあり、どうしても高さが足りない。仕方なくご主人にヘルプをお願いすると、あっという間に引きが完成。あとは形を整えて(最後の最後にご主人の微調整が入った)完成。
その後、家内の方も作り終え、記念撮影(作陶中は奥さんが写真を撮ってくれました)。飲み物を頂いた時には1時間半立ってました。
作った作品の内、私は2作目を、家内は共同で作った1作目を焼き、送ってもらう事にしました。(もう一個は予備)
電動ろくろは滋賀の信楽で一度体験してます。この時は放任。基本的なやり方だけ教わって、後は自由。何度も失敗してクシャッとなっては作り直し。湯呑を造ったり、皿を造ったり。何個もトライしました。3ヶ月ほどして出来て来たものはやたらと重い。改めて見てみると外は真っ直ぐなのに、内側は底に行くほど傾斜がなだらかになって砲弾の頭の様な空間。つまり高台周りの肉が厚いのです。
今回は教わった方法では、最初の方に底面を外に膨らましていく様な手順があり、器の底はほぼ水平。なるほど・・。
逆が良かったな。最初にこちらで手順をしっかり教えてもらい、二度目に信楽で自由に作らせてもらう。まあ、また今度、別のところでトライしましょう。
近くの道の駅で昼食(あらだき中心のランチ)を頂いて、レンタカーを返却。タクシーで萩 明倫学舎へ。
明倫学舎は明治時代に建てられた小学校です。私達が通った小学校を思い出させる長い木の廊下が郷愁を誘います。同じ形の校舎が4つ並んで建てられており、1号館は校舎中心の展示で無料で、2号館は有料で世界遺産「明治日本の産業革命遺産」を中心にした展示があります。ほかの団体さんが居たし、時間が気になったのでざ~と見た感じになりましたが、なかなか良い展示でした。
続いて5分ほどあるいて、萩城城下町地区に。250m四方くらいの区画に、青木周弼・木戸孝允と言った維新の立役者の家や江戸時代の街並みが残っています。何と言っても圧巻は豪商・菊屋家住宅(重要文化財)でした。今までも竹原や鞆(広島県)、愛媛の内子町等で豪商の家は見ましたが、ここが一番大きいように思います。単に豪商と言うだけでなく、長州藩の迎賓館の役割を担っていたとの事で、建物も立派だし、特別公開中の庭も凄い。いやー見ごたえがありました。(係の人に説明頂き、見ることに集中した余り、写真を撮り忘れました)
それにしても、維新の立役者の武士達の素朴ともいえる家と、商人の豪華な屋敷、その対比は色々考えさせるものがありますね。
これで観光は終わり。明倫館まで戻って高速バスで新山口駅に。のぞみ自由席で一駅、広島に帰ってきました。



