浅田 次郎
作成日不明
解説
略歴を見ると、暴力団の準構成員だったとか、ねずみ講に係っていたとか、ギャンブルで暮らしていた時代があるとか、どうも怪しげです。著者近影を見ても、なかなか怪しげですしね。
そういえば私が浅田さんを知ったきっかけになった「プリズンホテル」は、やくざさん御用達のホテルが舞台を舞台にしたもので、妙なリアリティーが有りました。他にも「きんぴか」などにもやくざが出てくるし、それも否定的な描き方じゃありませんでした。
「泣かせ」の浅田であり、「笑わせ」の浅田でもあります。
ともかくも全力投球。どうすれば読者を泣かせ、笑わせられるかを必死に考え、これでもかこれでもかと文章に書き込んでいるようです。
しかし、時にそれが過剰サービスになることがあります。
長編において人物の性格設定が、最初と最後で異なることが見受けれられます。笑わせ、泣かせ、感動させるストーリーに持っていくために、性格設定を捻じ曲げている様な気がします。
ですから私は浅田作品ではそうした破綻の少ない短編の方が好きです。
最近少し大人しくなりましたかね。
年を取って枯れてくると、何とも言え無い良い味を出してくるのか、それとも単につまんない作家になるのか、なかなか興味深い人だと思います
略歴
年 | 記 述 |
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1951 | 東京都中野区鍋屋横丁の旧士族の家に生まれる。 |
駒場東邦中学校に入学 | |
中央大学杉並高等学校に入学 | |
憧れていた三島由紀夫の自決事件をきっかけに自衛隊に入隊 | |
1990 | 婦人服販売会社を営む傍ら、『とられてたまるか!』でデビュー |
1995 | 『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞を受賞 |
1996 | 『蒼穹の昴』が直木賞の候補 |
1997 | 『鉄道員』にて直木賞を受賞。 |
▽▽読了作品(2002以降の読了本は書評付き)▽▽