朝井まかて
2020/03/16
解説
現時点、私の中では木内昇さんと双璧を成す女性の歴史・時代小説作家さんです。
デビュー当時は『花競べ向嶋なずな屋繁盛記』(単行本:実さえ花さえ)、『ちゃんちゃら』『先生のお庭番』など、職人、特に植木職を主人公にした時代小説が特徴的でした。その後、2013年の『恋歌』あたりから本格的な歴史小説が増えて行きます。
多くの場合、主人公は女性です。
俯瞰的に捉え歴史を語るのではなく、あくまで歴史は背景で、その時代を生きた実在の女性の姿を炙り出していきます。
そういうタイプの歴史小説です。
時に『残り者』の様な奇譚やファンタジーの『雲上雲下』等の作品もあり、これがなかなか良いのです。
ちなみに”まかて”と言う名は、沖縄出身の母方の祖母(新里マカテ)から採られたものだそうです。
略歴
年 | 記 述 |
---|---|
1959 | 大阪府に生まれる |
甲南女子大学文学部国文学科卒業 | |
広告制作会社でコピーライターとして勤務した後に独立 | |
2008 | 『実さえ花さえ』で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞して作家デビュー |
受賞歴
作品 | 賞 | 受賞年 |
---|---|---|
恋歌 | 直木賞 | 2014年 |
阿蘭陀西鶴 | 織田作之助賞 | 2014年 |
眩 | 中山義秀文学賞 | 2016年 |
福袋 | 舟橋聖一文学賞 | 2017年 |
雲上雲下 | 中央公論文芸賞 | 2018年 |
▽▽読了作品(2002以降の読了本は書評付き)▽▽