南木 佳士 (なぎ けいし)
作成日不明
解説
南木佳士さんは下の略歴にもあるように、かつて多くの末期ガン患者を看取り、その結果自らがパニック障害を発症してしまった現役の内科のお医者さんです。
文庫本ダイアモンドダストの著者のあとがきに「この十年、硬すぎる文体しか持たない男の自己検証の作業に・・・・」という文章があります。確かに、どこか生硬さの残る文体で、その作品の多くは、自らの生涯を題材にした、自伝的な小説です。
医者と患者、生と死。そうしたテーマを追い続け、静かな感動をもたらす作家さんであるとも言えます。
代表作はやはり「阿弥陀堂だより」でしょうか。この作品は、少し自伝性を外した分、程よく力の抜けて優しい物語になっています。
略歴
年 | 記 述 |
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1951 | 群馬県吾妻郡嬬恋村三原大字川原で生まれる。本名、霜田哲夫。 3歳で結核のために母親を失う。 |
1965 | 中学2年生の春に、父親の転勤について上京。 保谷市立保谷中学校に転校し、社宅で父親と継母と暮らす。 |
1971 | 一浪後、秋田大学医学部に入学。 田舎の新設医学部での生活に挫折感と劣等感を抱く。 |
1977 | 生家に近い長野県南佐久郡臼田町にある佐久総合病院内科に勤務。 |
1981 | カンボジア難民救済医療団に参加。タイ・カンボジア国境に赴く。 「破水」で第53回文学界新人賞を受賞。 |
1985 | 軽井沢病院内科医長として一年間出向。 |
1988 | 「ダイヤモンドダスト」で第100回芥川賞を受賞。 |
1989 | パニック障害を発症 |
1995 | 「阿弥陀堂だより」を「文学界」に発表。 |
2002 | 「阿弥陀堂だより」が映画化される。 |
▽▽読了作品(2002以降の読了本は書評付き)▽▽