2001年から書き始めたトドの書評データベースです。
2019年7月に2000冊を越え、今も年100冊程度追加しています。
(書評が無いのは2000年以前の読了本です)


小川洋子

2020/01

解説

どの作品を読んでも感じるのは静謐感です。
どこか深い森の中の透明度の高い湖底に設けられた、清澄なのだけど片隅は薄暗い舞台。そこで演じられる、決して跳ねず叫ばず、ゆったり静かに沈み込むような物語。そんな雰囲気が有ります。
それがどこから生まれるものなのか判らないのですが。

多くのテーマが幻想的で何か奇妙な偏愛を感じさせます。指などの体の一部、あるいは鉱石とか図鑑と言った科学的なものに対する強いこだわりが有ります。

一言でいうなら「浸る」作家さんです。

略歴

記   述
1962年3月 岡山県岡山市にて両親とも金光教の信者という家庭に生まれる。
小さいころ納戸にあった『家庭医学大事典』が最初の読書で、病気の説明や内臓の図を見る。
8歳か9歳で幼少習作『迷子のボタンちゃん』を書く
1974年4月 岡山市立竜操中学校に入学
1977年4月 岡山県立岡山朝日高等学校入学
萩原朔太郎や中原中也の詩集や立原道造、川端康成、太宰治、谷崎潤一郎を愛読する
1980年4月 早稲田大学第一文学部文芸専修に入学
1984年3月 早稲田大学を卒業。倉敷市の川崎医科大学に就職
1986年9月 結婚を機に退職し、小説の執筆に取り組む。夫は当初、小説を書いているのを知らなかった。
1988年 『揚羽蝶が壊れる時』で海燕新人文学賞を受賞
1989年8月 長男を出産。同年9月、最初の単行本『完璧な病室』を出版
2004年 太宰治賞選考委員。
2007年より芥川賞、2011年から読売文学賞、2013年より河合隼雄物語賞の選考委員

受賞歴

作品
揚羽蝶が壊れる時 海燕新人文学賞 1988
妊娠カレンダー 芥川賞 1991
博士の愛した数式 読売文学賞
本屋大賞
2004
ブラフマンの埋葬 泉鏡花文学賞 2004
ミーナの行進 谷崎潤一郎賞 2006
ことり 芸術選奨文部科学大臣賞 2012

▽▽読了作品(2002以降の読了本は書評付き)▽▽